大曲市民大学講座が好評

初日はあんだんての伊藤さんが香りを

愛知県からは島村さんが駆けつけ「驚きの味覚体験」(10月9日・火)

 講演する島村さん大曲市民大学講座が3日から地域職業訓練センターを会場に始まっているが、初日、二日目とも100人前後の受講生が集まるなど活気に満ちている。初日は同市角間川町でガラス工房「あんだんて」を主宰し、ガラス作家として活躍する一方、香りのプロデューサーとして香りの教室を開いている伊藤美果さんが講師となって「心と身体を癒す天然の香り〜アロマセラピー」が開かれた。そして二回目の6日は味覚修飾植物研究者の島村光治さんが愛知県知多市から駆けつけ「驚きの味覚体験」講座を開いた。

 伊藤さんは小学校教員を退職後の1997年、東京の香りの専門学校で香りを使って心身をリラックスさせる芳香療法・アロマセラピーを学んだ。そして香りを通じて元気と安らぎを与えたいと、県内各地で出前教室を開いてオリジナル香料や天然の香り(精油)の指導や提案をしている。この日は部屋の中に置いて香りを楽しむ芳香浴、入浴して香りを楽しむアロマバス、アロマオイルを身体に塗ってマッサージをしてもらうアロママッサージなど5種類のアロマセラピーの楽しみ方や香水の希釈濃度、保存と使用期限、安全性などを語って女性ファンをわかせた。

 最後に香りのエキスを参加者全員にプレゼント。講師料をはるかに上回る奮発に受講生たちは喜び、伊藤さんも「このような講座に招かれた皆さんとの縁を大事にしたい」と結んだ。
 6日の「驚きの味覚体験」の講師となった島村さんは大曲市出身。秋田高専を卒業し、名古屋市の絶縁体メーカー「日本ガイシ株式会社」でセラミックスの研究開発に従事しながら、味覚修飾物質を持つ植物を研究、味覚修飾植物の研究では東北、東海地方で第一人者として知られ、愛知県やその周辺の小中学校で味覚の体験講座を開いている。

 「故郷でもぜひ」と市教育委員会から声が掛かり駆けつけた。島村さんは会場にミラクルフルーツやギムネマ、クルクリゴなど味覚修飾植物を持ち込んでの講演となった。いずれも西アフリカ原産やマレーシア原産の植物。始めに参加者全員にギムネマの葉っぱをかじらせチョコレートや砂糖の味を体験させた。参加者は「チョコレートなのに甘くない。砂糖が砂をかじったような味」と味の変化に一様に驚いていた。

 こうした様子を見ながら島村さんは「なぜ味が変わるのか」と植物に含まれている物質が、舌の粘膜にある花のつぼみのような形をした味蕾(みらい)と呼ばれる感覚細胞を混乱させる仕組みなどを解説。そしてオーストラリアの小動物「コアラ」は「他の動物にとって毒であるユーカリの森で生活することで生き延びることができた」、「ライオンは獲物を得た時は肉よりも小腸から先に食べる。それは草食動物が食べた植物繊維を取るためだ。ライオンだって植物繊維を取ろうとするのだから、人間も植物繊維を多く取らなければ」などとユニークな話題を提供。

 そして「食事は人の心を豊かにする。人間にとっての食事の時のコミュニケーションは大事」などと食卓での雰囲気の盛り上げやカップラーメンなど加工食品やファストフードに便り過ぎは「味を感じることができないという味覚異常の病気に陥りやすい。海草やそば、貝類、魚、お茶など亜鉛を多く含む食べ物を取るべきだ」と注意していた。

 ミラクルフルーツの実最後には全員にドングリほどの大きさの赤いミラクルフルーツの実を食べさせ、酸っぱいはずのグレープフルーツやヨーグルトが甘くなる体験をさせた。島村さんは「糖尿病や肥満の方には低カロリーで安全な甘味剤が必要とされているが、多くの人口甘味剤は副作用のため、使用が制限されている。そこでこのミラクルフルーツが新たな甘味剤にとして利用される可能性がある」と強調。しかし、ミラクルフルーツは種から実がなるまで7年もかかり、栽培管理が難しいだけに安定性や大量生産系の確立が必要であり、今後の研究が待たれるという。講演の後、島村さんはミラクルフルーツを大曲市の県立農業科学館に寄贈、その栽培方法の指導のため、7日には同館を訪問した。

 市民大学講座は今後、22日には株式会社「ホテル東日本」代表取締役社長の太田光旺氏(大曲市四ツ屋出身・盛岡市住)が「企業繁栄は人づくり」と題して、30日には秋田大学教育文化学部の小川幸男助教授が「中高年のための動作法」を、11月5日には秋田市市史編纂専門委員の塩谷順耳氏が「中世の大曲地方」と題して講義する。時間はいずれも午後3時から。