雇用を巡って情報交換

県の労働関係懇談会

労使が意見交換、厳しい経営側の声(10月24日・水)

 経営者側からは厳しい声が出た労働関係懇談会雇用情勢が深刻化する中、地域の雇用確保のための対策を話し合おうと23日、秋田県と県労働協会の主催で「大曲・仙北地区労働関係地域懇談会」がグランドパレス川端で開かれた。懇談会には労働者側から連合秋田大曲地域協議会の杉山勇副議長、アネスト岩田労組秋田分会の渡邉利美分会長、全タカヤナギ労組の高橋琢博執行委員長、大曲仙北地域労働組合総連合の斉藤仁副議長が出席。経営者側からは婦人服製造のベイシックサンミッシェルトキワ秋田工場(角館町)、メンズアキタソーイング(田沢湖町)、西仙北町商工会、エス・アイ・アイ・マイクロテクノ(大曲市)、光山電気工業秋田工場(同)が出席した。

 初めに石垣章ハローワーク大曲所長が「求職者のうち38%が雇用主の都合によって解雇されたもので、40歳以上の解雇が多い。この年代だと家族のためにお金が最も必要な時期であり、経済的にも深刻な打撃を受けている。一方で企業の求人は減るか横ばいの状態で、8月末の求人倍率は0.4倍となって、製造業からの求人は昨年に比べ半減した」と厳しい管内の雇用情勢を報告した。また高卒者の企業への定着率の低さも非常に高いと若い人たちの離職を嘆いた。

 懇談会に入って企業側からは「先行きが見えないため現在の雇用をどう守るかを最優先に考えている。従業員の中に中国からの研修生を10数人受け入れているが、中国人の採用で、地元の雇用が奪われるのではないかとの声もある。しかし、中国と日本との賃金格差は20分の1。同じ土俵では勝負にならない」と人件費の格差と長引く不況にどう耐えるか企業側も厳しい立場に立たされている状況が説明された。

 携帯電話用の液晶を生産しているエス・アイ・アイ・マイクロテクノも「製品サイクルが短く、国内で半年、海外で1年と変化が激しいためそれに対応できる体質づくりに追われている。企業として生き残るためには中国へのシフトも当然のことだ。国内の雇用をどう守るかで精一杯であり、新規採用は全く考えてない。人員が必要な時は協力会社や人材派遣会社に依頼することにしている」と話した。

 光山電気工業も「壁掛けテレビ用の部品を作っている。これまではアメリカがマーケットだったが、昨年秋から需要が冷え込み、受注は昨年の65%となった。このため週3日を休暇とし、耐えている状態だ」とひっ迫した状態にあることを報告していた。

 労働者側からは連合の杉山副議長が「連合として県に雇用の創出対策、企業の活性化対策、再就職の斡旋など11項目を要求している」と報告。全タカヤナギの高橋執行委員長は「流通業界も競争が厳しく・パートの比率を高めている。夜間営業に力を入れて売り上げ向上の努力をしており、行政には保育園の保育時間の延長をお願いしたい」と要望していた。アネスト岩田労組の渡邉分会長も「3年前に希望退職を募ってリストラを行った。今また20人が横浜へ出向となった。雇用を守る手段として会社の意向を受け入れたが、行けない人のためにも行政の支援をお願いしたい」と訴えていた。

 県側は「雇用対策本部を作り、緊急雇用対策として助成金制度などを設け、相談に応じていたが、もう相談に来るのを待っている状態でないと判断し、職員が直接、企業を回って話を聴き、具体的な対策に結びつけるようにする」と深刻な雇用情勢への対応をより前向きにする姿勢を示していた。