県産牛肉の消費拡大を

狂牛病パニック対策へ

県が消費者や学校栄養士らに安全をPR(10月25日・木)

 狂牛病(牛海綿状脳症)の発生で食肉の販売不振や価格暴落が発生、畜産農家や食肉関連業者が経営不振にあえいでいることから、何とか消費者の不安を解消したいと県仙北総合農林事務所では24日、神岡町の農村環境改善センターで「秋田の食を考える地方推進会議」を開き、県産牛肉の生産と流通の実態を説明、牛肉の安全性をPR、消費拡大を訴えた。

 会議には農家代表や消費者、商工団体、食品産業、市郡内の教育委員会、学校栄養士、PTA役員、市町村の担当課長ら50人が招かれた。県からは農林事務所職員のほか、中央食肉衛生検査所員ら18人が参加した。

 会議の前に学校栄養士や消費者団体ら20人が河辺町の県食肉流通公社を視察、厳重な衛生管理の下で食肉生産が行われている実態などを目にした。

 狂牛病は9月10日に千葉県で発見されたのを機に大騒ぎとなり、食肉への不安が全国的に広がり、牛肉の極端な消費減となった。県内でもすべての市町村で学校給食に牛肉を使うのを控える事態となっている。

 この日の会議で同事務所では9月27日から県内の肉用牛や乳用牛の全頭に対して、農家に立ち入り検査を実施し、疑わしい牛はなかったことや牛に与えている飼料を過去8年間に逆上って調査したところ、感染源とされている肉骨粉が含まれている飼料を給与した事実も認められなかったと説明。さらに牛の出荷の祭は、家畜保健衛生所による異常のチェック、食肉衛生検査所での出荷牛全頭の脳の病理組織学的検査の実施、脳の免疫学的検査など国の基準を上回る検査で、安全と確認された以外の牛肉は食用として出回ることはないなど安全性を強調していた。

 狂牛病は1986年にイギリスで初めて発見され、牛の脳などの組織がスポンジ状(海綿状)になることから牛海綿状脳症(BSE)と名付けられた。病気になった牛は神経過敏、異常姿勢、運動失調、マヒ、起立不能などの症状を示し、発病後2週間から6カ月の経過を経て死亡する。人にも感染し、英国では96年から01年まで、100人ほどの死亡が確認されているという。発生の大半は英国だが、フランス、ドイツなどEU諸国にも感染が広がったのは、感染した牛から作られた肉骨粉などを牛に与えたのが原因と考えられている。しかし、今回の国内での発生はその感染源がまだ特定されてない。

 だが、国内での狂牛病発生以来、消費の落ち込みで畜産農家や食肉関連業者は経営がパニック状態に陥っていることから、国では安全と確認された以外の牛は食用としても飼料原料用としても出回ることはないような体制を整備したとして、18日に安全宣言を出した。

 この日の会議では消費者団体などから「消費者は一度、不安を抱いてしまうと信頼を回復させるのは難しい。どんなに大丈夫と言われてもどこかで引っかかる。回復させるには正確な情報を迅速に流し、消費者に分かりやすく伝えるべきだ」「消費者、生産者、流通団体が一体となって肉を使った料理の研究会を開くなど消費拡大のキャンペーンをやったらどうか」などの提案や意見があった。県側はこれからも学校給食での積極的な県産牛肉の利用促進や県民への消費拡大のためのPRに努めたいとしていた。