大曲会場には900人
学校教育をテーマに分科会(9月1日・土)
第49回日本PTA全国研究大会秋田大会が31日、全国から約8000人が参加して秋田市などで開かれた。大曲市では市民会館を会場に北は北海道、南は沖縄までのPTA団体代表、文部化学省審議官、大学教授ら900人が参加して第3分科会「学校教育」をテーマにパネルディスカッションが行われた。今日1日は秋田市で全体会を開き、宇宙飛行士の毛利衛さんが記念講演して正午に幕を閉じた。
大曲会場では大川西根小学校の児童102人と保護者30人による全校音楽が一行を迎えた。子どもたちは全国から集まったPTA団体の代表を前に「旧友」と「ビリーブ」を堂々と演奏し、深い感動を与えた。続いて歓迎式典に入り、高橋司大曲市長が歓迎の言葉を述べた。
分科会における研究課題は「新世紀における学校教育とPTA」。はじめに文部科学省の御手洗康審議官が基調講演。御手洗氏は国会で成立した教育改革関連6法「21世紀教育新生プラン」に基づいて「知識の詰め込みの教育でなく、自分で考え、行動し、解決していくような教育としたい」と「分かる授業で基礎学力の向上」「多様な奉仕・体験活動で心豊かな日本人を育む」などの7つの教育重点戦略を説明し、「子どもたちの心の問題と学力の問題は切り離さず、学校、家庭、地域社会が一体となって取り組む必要がある」と訴えた。
続いて愛媛県PTA連合会の藤中秀樹会長、富樫以津子花館小学校教頭が提言者となって「愛媛、伊方中学校の自慢話」「図書館ボランティア活動から広がる学びの世界」と題して報告。藤中会長はPTA人権教育部会と生徒会人権委員会が中心となって実施している「思いやりのひとこと集」を事例として紹介。
「お父さんへ、たばこの吸い過ぎ酒の飲み過ぎ、もう止めてくれ!病気になるぜ」と息子が書き込めば、父は「息子よ、君がこれだけお父さんのことを心配してくれているとは思わなかった。ありがとう」「おかん、最近わがままでゴメン」「自分でわかっとるんやったらそれでええ。そのうち、心も成長するやろ。焦らずにな」などほほえましい親子のやりとりが感動を呼んでいた。
一方、富樫教頭は今年4月に花館小に赴任したとき、子どもたちの「ありがとう、すみませんなど心を伝える言葉が自然に出てくる。情緒が安定している」などにカルチャーショックを受けたと報告。それが学校図書館の本を通して子どもと触れ合うお母さんたちによる図書館ボランティアの大きな成果だったと話した。
続いて明星大学の高橋史朗教授をコーディネーターに、御手洗審議官、社団法人日本PTA全国協議会前常務理事の三津良裕さん、藤中さん、それに大曲中学校PTA副会長の福原定安さんがパネリストとなって学校教育とPTA活動について話し合った。三津さんは「いじめの問題は学校と家庭が連携を密にした対応やPTAで対策を話し合うこと、保護者の強力な教育力が必要」と訴えると同時に「遊べない、遊ばない」子どもたちのために「遊びの時間と空間を作ろう」と呼びかけた。藤中さんは幼くして父と母を失い、兄と姉、そして地域の人たちの温かい支援、中学校の先生から受けた恩などを下に「今、会社員として何とかやっている自分は、PTA活動の半分は先生への恩返しのつもりだ。先生の育てた生徒は、社会で立派にやっていることを胸を張っていいたい」と訴えた。福原さんは「経済主義、価値観の喪失、そして大企業でさえ今や大幅なリストラの実施で失業者が増大している。こうした社会の矛盾に気づいた子どもたちは自分の将来像を描くことを停止して、現実逃避を図ってゲームなどバーチャルな世界へ逃げ込んでないか」と問題提起し、学校と地域社会との連携を深めるべきだと訴えた。