仙北町のふるさと探訪事業

中学生がヘリコプターで遊覧

田んぼがいっぱい、緑がいっぱいと感動(9月4日・火)

 機内に乗り込む仙北中生たち空から見下ろした町は田んぼがいっぱい、そして緑がいっぱいだった−。ヘリコプターに乗って300メートルの上空から「史跡のふるさと」を眺望してもらいたいと仙北町の「ふるさと探訪事業」が4日、町ふれあい文化センター駐車場をヘリポートに行われた。仙北中学校(渡邉義實校長・生徒数107人)の3年生を対象に6年前から毎年、行っている町の事業。希望のあった生徒105人と教職員22人の計127人が交互に乗り込んで、空からふるさとを探訪した。

 この事業は上空から黄金の稲穂が実るふるさとを眺望して、見慣れたはずの郷土への感動を呼び起こしてもらい、郷土愛の育成と次代を担う人づくりを目的に実施している。午前9時から仙北中体育館で行った開会式で小西省吾町長は「3年生にならないとヘリコプターに乗れないので今日の日を大変、楽しみにしていたことと思う。ヘリを飛ばすには生徒1人当たり1万円ほどかかるが、この金額は問題でなく、上空から見た故郷・仙北町の素晴らしさを心に刻んで良き思い出とし、町のために頑張ってもらいたい」とあいさつ。渡邉校長も「町の温かい配慮で、上空から故郷を眺望できる。若い皆さんのみずみずしい目で町を眺め、その感動をふるさとのために役立ててもらいたい」と呼びかけた。

 ヘリコプターは秋田空港を基地とする小川航空株式会社と業務委託しての運行。フランス製で、全長約13メートル、最大6人乗り。1回約7分の飛行時間で町の健康広場や野球場、大曲駅周辺、国道13号大曲バイパス、そして丸子川や小学校、国指定史跡「払田柵跡」、町の温泉「柵の湯」、農業集落などを飛んだ。

 生徒たちはこのふるさと探訪事業が始まって以来、中学校に入ると3年生になるのを心待ちにしていると言う。生徒たちを乗せたヘリコプターは午前10時から遊覧飛行を始めたが、最初に乗り込んだ黒澤勇樹君は「最高だった。グレートでした」と興奮気味。そして「田んぼがいっぱい、緑がいっぱいで改めて自分の町の良さを知った」と誇らしげだった。

 
この感動の笑顔
町のシンボル国指定史跡「払田柵跡」の眺望
 
 記者も4人の女の子たちと一緒にヘリコプターに同乗した。飛び立つと同時に子どもたちは「キャー。飛んだ」と驚きの悲鳴を上げていたが、上空300メートルに達して町の周遊が始まると機内はシーンと静まり返って、だれもが目を皿のように大きくして眼下に広がる町の光景を眺めていた。下を走る自動車がおもちゃのようにさえ見え、一面に広がる田んぼは黄金色に輝いていた。奥羽山脈の緑も鮮明だった。町が誇りとしている国指定史跡「払田柵跡」が見えた。平安時代の昔、長森と真山の二つの山を囲むように柵を張りめぐらして築かれたと言う巨大な遺跡。しかし、上空から見るとそれさえも箱庭のようなちっぽけなものに過ぎなかった。生徒たちは飛び込んでくるそうした町の光景を感動いっぱいの目で心に焼き付けていた。