不思議な味覚修飾植物の研究家
大曲市出身の島村さん、来月6日に故郷で講演(9月12日・水)
大曲市出身で、名古屋市の絶縁体メーカー「日本ガイシ株式会社」の中央研究所に勤務し、セラミックスの材料開発に従事しながら、味覚修飾植物を研究、東海地方の小中学校などでボランティアの体験講座を開き、中日新聞や朝日新聞などに紹介され、話題を呼んでいる人がいる。上大町生まれの島村光治さん(27)=愛知県知多市在住=で、その島村さんが故郷・大曲の市民大学講座の講師として招かれることになった。
島村さんはミラクルフルーツ、クルクリゴ、ギムネマなどアジアやアフリカ原産で、口にすると味覚を一時的に変化させる「味覚修飾植物」を16歳の時から研究。味覚修飾植物の研究分野では東北・東海地方で第一人者として知られている。市民大学講座は10月2日から地域職業訓練センターで始まり、島村さんは2回目の6日に「植物・科学」コースの講師として来曲する。
島村さんは大曲小、大曲中を経て秋田高専電気工学科を卒業、現在の会社に就職した。植物栽培が趣味で、在学中に味覚修飾植物の一つ、ミラクルフルーツの存在を知った。ドングリほどの大きさの赤い実を食べると、酸っぱいはずのレモンの輪切りがハチミツでもかけたように甘くなるのを体験。以来11年かけて味覚修飾植物のとりことなって、栽培法を研究してきた。併せて味覚の研究も行い、現在は愛知県武豊町の花き栽培業者の温室を借りて、栽培と植物園への技術指導を行っている。
国内では数少ない研究者の一人として今春、知多市教育委員会から講演依頼を受けたのをきっかけに同県や岐阜県の小中学校で講座を開くようになった。講座でミラクルフルーツの実やギムネマの葉を児童らに試食させ、レモンやチョコレートを次に食べさせて味の変化を体験してもらった。「レモンなのに甘い」「チョコレートが甘くない」など子どもたちの反響は評判となり、新聞社の取材を受けるようになった。
島村さんによると味を感じるには食べ物が唾液と混じり、水溶液になることが必要で、水溶液となった物質が口の中にある乳頭に取り込まれ、その中にある花のつぼみのような形をした味蕾(みらい)で味が判別されると言う。味蕾での味の判別方法は、鍵と鍵穴の関係に例えられ、食べ物の成分が鍵で、味蕾が鍵穴と言えると島村さん。味にはそれぞれ専用の鍵穴があり、その鍵穴が埋まるとスイッチが入り、電気信号として脳に味を伝えると言う。
また島村さんは近年、若い女性が味を感じることができない「味覚異常」という病気になる例が多いのは「亜鉛不足が原因であり、加工食品やファストフードなどに頼り過ぎると発生し易い。海草、そば、貝類、魚、お茶など亜鉛を多く含む食品を取るべきだ」と警鐘する。さらに今後の展望として糖尿病の増加や肥満が社会問題化しているが、これらの人たちには低カロリーで安全な甘味剤が必要とされているが、多くの人口甘味剤は副作用のため使用が制限されている。このため新しい甘味剤の開発が求められているが、研究している味覚修飾植物がこれから注目されるのではないかと見ている。そのためにもミラクルフルーツなど味覚修飾植物の大量生産系の確立が必要であり、今後の研究に期待したいと話す。島村さんはホームページでも研究成果を発表している。アドレスは
市民大学講座は10月2日から11月5日まで6回開かれる。初日の2日は午後3時から開会式を行い、同3時15分から同市角間川町の香りのプロデューサー・伊藤美果さん(ガラス工房・あんだんて)が講師となって「心と身体を癒す天然の香り」を。そして2回目が島村さんで午後5時半から「驚きの味覚体験 ミラクルフルーツとギムネマ(植物を通じて味覚の仕組みを理解する)」をテーマに講演する。3回目は16日午後3時からで、国立秋田療養所秋田病院医師の前橋賢さんが講師となって「今、悩めるアトピー性皮膚炎」。4回目は22日午後3時からで、株式会社ホテル東日本代表取締役の太田光旺さん(大曲出身・盛岡市在住)でテーマは「経営」。5回目は30日午後3時から、秋田大学教育文化学部の小川幸男助教授で「中高年のための動作法」。6回目は11月5日午後3時からで、秋田市の市史編纂専門委員の塩谷順耳さんによる「中世の大曲地方」。
参加申し込みは27日まで、同市教育委員会生涯学習課へ。受講料は1000円(資料代)。