農家民宿「季節の郷(さと)」

大曲市角間川町の農家の主婦が建設

都会の人たちにくつろぎの場をと来月2日にオープン(9月26日・水)

 大曲市角間川町に農家民宿「季節の郷(さと)」が誕生した。同町字木内、農業・古谷恭子さん(42)が経営するもので「都会の人たちに農業体験を楽しんでもらえる、田舎の別荘としたい」と古谷さん。来月2日にオープンする。

 民宿は県道湯沢・雄物川・大曲線沿いのバイパスに建ち、木造二階建て延べ面積約200平方メートルの大きさ。7月23日に着工し、20日に竣工した。秋田杉をふんだんに使い、一階の広さ14畳ほどの食堂は天井の柱をむき出しにするなど昔の農家らしさを再現した。そして台所と8畳の和室2、フリースペース、トイレ、浴室からなっている。二階は宿泊棟で8畳の和室2と8畳ほどの広さを持つ洋室とトイレ。宿泊室は全部、鍵がかけられる構造となっており、民宿とは言えプライバシーが守られるように配慮した。また各部屋とも空気清浄機を設置するなど配慮も行き届いている。さらに車いすの人やお年寄りが泊まっても不便を感じないよう車いす用のスロープを設けたり、段差のないバリアフリーの構造とした。

 古谷さんは「一番、気をつかったのはトイレと風呂。泊まってくれるお客さんにホッとする空間を与えたいとトイレは面積も広くし、便器も洗浄器付きとした」と話す。風呂は手すりも付いていて、湯の温度も自動設定になっているなど体の不自由な人には安心だ。さらに古谷さんの自慢は宿泊室からも一階からも天気のいい日は鳥海山が眺められることだ。「とにかく宿泊してくれる方に気兼ねなくのんびり出来る場を提供しようと思った。だから自宅とは離れた場所に建設し、お客さんが一階から二階まで自由に使えるようにした。一階の食堂や和室で寝ころんでたっぷりある時間を過ごすのもいいし、奥羽山脈から昇る朝日を眺め、昼は鳥海山を眺め、夕方は夕日を眺められるようにした」と話す。

 古谷さんが言うように民宿の周りは田んぼばっかりで視界をさえぎる物はなにもない。時間があれば舟運で栄えた角間川町の黒板塀を回した旧家や川港親水公園の散策を楽しむのもいい。

 古谷さん宅では実父の友吉さん(69)と稲作5ヘクタール、大豆2ヘクタール、スイカ1ヘクタール、トウモロコシ0.2ヘクタールを栽培している。これらの農地を活用し春は田植え、夏はスイカやトウモロコシの収穫、秋は稲刈り、いぶりたくあん作り、冬はドライフラワーを使ってのリース作りやわらじ作りなどのメニューも用意している。また食事も古谷さん自身が調理師の免許を持っており、自家製野菜をたっぷり使った季節料理を提供したいと張り切る。

 古谷さんは3年前から県の農業活性化事業実践セミナーや秋田花まるっグリーンツーリズム推進協議会に参加。東北各地を研修に訪れて農家民宿のあり方を考え、昨年11月にはドイツとフランスを回ってヨーロッパの農家にも宿泊体験をしてきた。そうした体験から「やるんだったら早めにやろう」と決心した。

 宿泊料金は大人1泊2食付きで6000円。わらじづくりなど体験は予約が必要で500円から。「利益を上げると言うより、気長に取り組んでいきたい。そして田んぼと鳥海山しかない田舎ののんびりした時間を都会の人たちに与えたい」とほほえむ。

 季節の郷は0187−86−5515、ファックスは86−5516。古谷さんの自宅は0187−65−3494。