救急方法と火災予防を学ぶ
縫製工場の研修生として秋田へ(4月4日・木)
大曲仙北の縫製工場6社で組織している「協同組合ウール・アート(代表理事・佐々木繁治大同衣料社長)」では中国人女性を縫製技術研修生として受け入れているが、日本で生活するための基礎知識を学んでもらいたいと先月27日から研修生を対象に座学を開いている。4日には大曲消防署員3人を講師に広域交流センターで「救急講習」と「火災予防講習」を受けた。
受講しているのは中国黒龍江省ハルピンから先月26日に来日した22歳から34歳の26人。座学は翌27日から始まり、これまで大曲保健所から食品衛生や栄養、健康問題などを学んだ。また大曲警察署からは日本の交通ルールや防犯、市役所からは生活上の注意やこの周辺の地域紹介を受けた。さらに今後は日本語研修を1カ月ほど受ける。
協同組合ウール・アートは地元では若い労働者の確保が困難なことから、中国人を研修生として受け入れたいと3年前に大曲市の大同衣料株式会社や田沢湖町のメンズアキタソーイング、神岡町のティーエスアキタ、南外村のスリースター、六郷町のルック商事など6社で組合を組織し、国際研修協力機構を窓口に研修生の受け入れを始めた。研修生の滞在期間は1年だけだが、入国10カ月後に日本語と縫製技術の試験を受けて合格すると実習生となって受け入れ企業と雇用契約を交わし、さらに2年間滞在が伸びる。この制度を利用して1200人ほどの中国人研修生が県内で農業や生産加工、建築など様々な仕事を学んでいると言う。
この日の講習では午前中は命を救うための応急手当で消防署が用意した3体のダミーを使って倒れた人の気道確保や人工呼吸、心臓マッサージなどを学んだ。そして午後からは火災予防の講習で、実際に消火器を使ってその使い方や火の消し方などを学んだ。来日する前に200時間の日本語講習を受けたと言うが、まだ日本語を理解することは出来ず、通訳を交えての勉強だった。3人の消防署員は「命を救うための応急手当はぜひ覚えてもらいたい」と熱心に実技指導したが、人工呼吸では恥ずかしがって照れ笑いする人も。それでもその技術を身につけることで帰国してからも役立つと次第に真剣になって習得に努めていた。
研修生は今後、それぞれの縫製工場が用意した宿舎で共同生活をしながら、縫製技術を学び、将来は母国でその技術を生かすことになる。講習に立ち会った縫製工場の経営者は「研修期間は研修手当てとして支給する生活実費のほかに宿舎の準備、それに旅費からベッド、光熱費などの生活用品もみんなこちら負担で大変だが、若い人が会社に入ると活性化し、明るくなる。研修を終えて実習生となれば貴重な労働力にもなる」と話す。