角館町工芸協同組合、町、秋田森林管理署
サクラ樹皮の安定供給と資源の保護管理へ(4月12日・金)
樺(かば)細工業者らでつくる「角館工芸協同組合(田口宗平理事長)」と角館町は11日、秋田森林管理署(丹四郎署長)と同管理署が管理する国有林のヤマザクラの樹皮を独占して採取できる協定を町役場で結んだ。樺細工の材料となるサクラの樹皮の安定供給と資源の保護管理が狙い。採取できる国有林を「樺細工の森」と命名し、3者共同で見回りを行うなど保護することも約束した。同管理署によると、協定を結び樹皮を計画的に採取するのは全国で初めてという。これによって県内外の国有林や民有林で違法にヤマザクラの皮がはぎ取られる事件がある度に同町の樺細工業者が疑われるなどイメージダウンにもなっていた問題も解決すると関係者はホッとしている。
同組合には、角館町と田沢湖、中仙、西木の4町村の製造業や販売業など56社が参加している。昨秋来、組合と町が、樹皮の安定供給を狙いにサクラの皮の提供を同管理署に願い出ていた。同組合によると、組合のサクラの樹皮の年間消費量は約100トン。これまでは組合の採取資格認定者が、良質なヤマザクラが豊富な太平洋側の青森県や岩手、宮城、福島、奈良、和歌山の民有林と個別に契約し、採取していた。しかし、盗採の度に樺細工業者に疑惑の目が向けられ、その対応に苦慮していた。
「樺細工の森」として採取の対象となるのは秋田市や河辺郡、男鹿市、それに仙北郡内の国有林計6万9000ヘクタール。採取できるのは町長が認定した資格者のみで、年間5万トンを見込んでいる。協定では▽採取できるサクラは胸高の直径が10センチ以上▽採取は立木のままで行い、伐採や枝落としをしてはならない▽採取できる部位は、樹木の地上1メートル以上とする?など細かな原皮採取要領も取り交わした。協定期限は05年3月31日まで。
町役場で太田芳文町長、田口理事長、丹署長の3人が協定書に調印。田口理事長は「懸案だったサクラの皮を安定的、継続的に供給できるので、業界の発展につながる。盗採の疑惑も晴らせる」と喜び、田口町長も「町の地場産業を支えるためにも販売ルートの開拓に努めたい」と話した。丹署長も「原材料の確保に苦労していると聞いていたので、役立てることができて嬉しい」と答えた。