大曲市花館小児童

玉川でさけの稚魚を放流

今年の全放流数は251万尾(4月12日・金)

 大きくなって帰ってきて−。大曲市鮭ふ化放流事業組合と雄物川鮭増殖漁業生産組合では12日朝、玉川橋下流の右岸で花館小学校3年生児童62人と一緒に「さけの稚魚放流式」を行った。この日もシトシトと雨が降り続いたが、子供たちは手にした小さな容器にさけの稚魚を受け取っては大喜びで玉川に放流。体長5センチ、まだ2グラムの小さなさけたちは母となる川に放流されると体をくねらせ、玉川の水に慣れようとしばし岸辺を漂っていた。

 昨秋、玉川と雄物川で行ったさけ漁で採れたのは2800尾。そのうち玉川だけで1577尾の捕獲があった。ほぼ平年並みの漁獲高で、メスは965尾だった。市営水産ふ化場で採卵できたのは271万5000粒で、1月4日には稚魚にふ化した。そして餌づけによって251万尾が育ち、2月から放流を開始していた。

 放流式で笹元嘉辰教育長は「これから放流するさけの子供たちは4年前、皆さん方のお兄さん、お姉さんたちが、この川に放流し、大きくなって戻ってきた親から生れた子供です」と説明し、「さけは生れた時の川のにおいを頼りに帰ってきます。川が汚れたり、濁ったりしていると戻って来れなくなります」と川を汚さないよう呼びかけた。

 組合員がお神酒を川にふり注いで旅立ちの無事を祈ってから、次々と子供たちの手に稚魚が渡された。小さなバケツの中で銀鱗を光らせてはねる稚魚たちの姿を見た子供たちは「ワー。すごーい」と喜び、「元気でねー」とソッとずつ放流していた。この日だけで約3万尾が放流された。岸辺はその稚魚でいっぱいとなり、雨具を着た子供たちはいつまでもその泳ぐ姿を見守っていた。

 放流されたさけは雄物川を下り、日本海から太平洋に出て、さらにアラスカ沖やアメリカ・カナダ沖までの長い旅を続け、4年後には体長1メートル前後の大きさとなって戻って来る。しかし、戻って来れるのは1000尾のうち1、2尾だけ。「自然界は大変、厳しい生存競争なんですよ」とふ化場職員は話す。17日には丸子川で保育園児63人の手で3万尾放流される。