味覚修飾植物研究家・島村さんが母校で講座
名古屋から駆けつけ、味を変える不思議な植物を紹介(4月30日・火)
「ワッ。まずい!」。「甘くない!」。甘いはずのチョコレートを食べた子どもたちが甘くないと驚いた。大曲小学校(武田學校長)で30日朝、味覚修飾植物の研究家・島村光治さん(27)=愛知県知多市在住=の「驚きの味覚体験」講座が開かれた。島村さんは大曲市上大町出身。講座は6年生の児童5クラス163人を対象に2回にわたって開かれたが、子どもたちはギムネマの葉やミラクルフルーツの実を試食し、チョコレートやレモンを食べて味が変化する不思議さに目を丸くして驚いた。
島村さんは「母校で教えるチャンスを頂いて嬉しい」と子どもたちを相手に熱心に味覚修飾植物の不思議さを語った。島村さんは現在も名古屋市に本社がある絶縁体メーカー・日本ガイシに勤務。セラミック材料の研究と開発に携わっているが、進学した秋田高専電気工学科在住中に味覚修飾植物の一つ、ミラクルフルーツの存在を知り、その研究に打ち込み、味覚修飾植物の研究では東海地方でも第一人者として知られ、愛知県やその周辺の小中学校で味覚の体験講座をボランティアで開いている。
島村さんのそうした活動が新聞で取り上げられたのがきっかけで昨年10月には大曲市教育委員会でも「故郷でぜひ」と市民大学講座の講師として招いた。今回も大曲西中学校から講演してもらいたいと声が掛かったのを機に母校でも話をしたいと同校へ相談した。昨年だけで60回の講座をこなし、大人も含め3250人を相手に話をしたという島村さん。今では全国各地から講演に来て欲しいと求められるが、「仕事を休むわけにはいかない」と断っているほど。今回は「連休だったし、故郷での講演なので喜んで来ました」と嬉しそうだった。1日には大曲西中、2日には大曲南中で講話し、3日午前10時半からは同市内小友の農業科学館で一般を対象に講座を開く。
島村さんは「今は情報化社会で、子どもたちは驚くことが少ない。驚くことで子どもたちは興味を持ち、なぜ?と考えるきっかけになる。子どもたちに興味を持たせ、目標を与えたい」と母校での講座に目を輝かせた。講座は総合学習の時間に開かれ、武田校長は島村さんの卒業アルバムを子どもたちに見せながら「島村先生は本校の先輩ですよ」と紹介した。
舌が味を感じる仕組みや動物にとっての味覚、人にとっての味覚、そして最近、若者の間に味を感じることができない「味覚異常」という病気が多くなったのはなぜかなど、興味深い内容を次々と紹介。動物の味覚では「チョウチョウは結婚相手を味で決めてしまうのですよ」と言うと子どもたちの間から「エーッ」と驚きの声。さらに「加工食品やファストフードばかり食べていると亜鉛不足となって、味を感じられない病気になってしまいます。そばや貝類、魚、お茶など日本食を見直して下さい」など注意も忘れなかった。そして子どもたちに砂糖とチョコレートを食べさせ、それからギムネマの葉をかじらせ、味がどう変化するかを体験させた。さらにはレモン、グレープフルーツ、ヨーグルトといった酸っぱい食べ物を与え、真っ赤な実のミラクルフルーツを与えた。子どもたちは「レモンなのに甘くなった」と驚き、味覚修飾植物の不思議さを体験。
講座は2時間近くにもなったが、体験を織り交ぜた講話に子どもたちは熱心に耳を傾けた。見守っていた先生たちも「子どもたちの反応がいい。新しい世界を体験し、分からないから何かやってみようとの気持ちにつながっているようだ」と喜んでいた。
島村さんは自分のホームページでも研究成果を発表している。アドレスは
味覚修飾植物▽実をかじった後で酸っぱい物を食べても、甘く感じさせるミラクルフルーツは西アフリカ原産▽葉をかんでから甘い物を口にしても、甘さを感じさせないギムネマはインドが原産。食事制限が必要な糖尿病や肥満対策への応用が期待されている。