男女共同社会参画目指してシンポジウム
車いすのオフロードレーサー渡辺さんが基調講演(2月4日・月)
県女性議会の会「L−1」みなみ主催のシンポジウム「21世紀に生きる男女の自立を考える」が2日、大曲市の広域交流センターで開かれた。活力ある少子高齢社会に向けて自分の生き方を見つめ直そうと開いたもので、車いすのオフロードレーサー渡辺幸哉さん(36)が「逆境から得た本当の生きる道」と題して基調講演をした。
渡辺さんは東京都生まれ。本田技研に勤務していた92年、オートバイで通勤途中に大型ダンプにはねられ頸椎損傷の重傷を負い、車いすの生活となった。しかし持ち前の強い精神力で障害を乗り越え、日本でただ一人のオフロードレーサーとなり、数々の好成績を残している。現在は妻の実家のある男鹿市に在住。
シンポジウムには100人を超える聴衆が集まった。渡辺さんはメキシコの砂漠で行われた壮烈なオフロードレースの様子をビデオで紹介しながら、「歩けなくなったと知った時はどん底に陥り、死ぬことしか考えなかった」と語った。しかし、自分よりも重い障害を持った人が車を運転し、渡辺さんがリハビリを受けている病院に来ている姿を見て、自分も二人の親としての責任はあると「障害に負けないで自立を図ろう」と誓う。そしてオフロードレースを観ていて、「これなら健常者と同じ土俵で戦えるのではないか」と魅力を感じ、家族の反対を押し切ってレーサーになろうと努力。
しかし、日本自動車レース協会からは「前例がない」として断られたが「なら自分が前例になる」と諦めなかった。渡辺さんは「やりたいことがあったら諦めないで」と強調。さらに「男の仕事とか女の仕事とか固定観念や先入観を持たないことも必要。車のハンドルだって丸くなければだめとか、ブレーキも脚で踏むものと考えるのは固定観念。別な方法を考えればいい」と発想の転換を呼びかけた。そして「過去を振り返らず、未来を見つめれば逆境の中からプラス志向も生れる」と訴えた。
続いてのシンポジウムではL?1みなみの実行委員長・杉沢千恵子さんがコーディネーターを努め、平鹿組合総合病院の看護士・大阪隆さん、大潟村農業委員の石原敏子さん、平鹿町浅舞地区婦人会長の大和谷道子さんがパネリストとなって男女共同参画社会をテーマに話し合った。
大阪さんは「看護職というと女性の職場というイメージがあり、女性の中に入って仕事するには専門性を持たないと存在意義が薄れる」と女性中心の職場で受け入れてもらうまでの苦労を披露。そして男女共同参画社会の実現は男性の理解がないと難しいと訴えた。
石原さんは男女共同参画社会は「自分らしく生きることだが、それと同時に責任も伴う」と自信を持った生き方を求めた。大和谷さんは自分の町であった町長選の選挙違反で「恥ずかしい思いをした」と振り返り「これまでのようにあなた任せではなく、女性も自分の考えを訴えるようにしたい」と意識改革を求めた。フロアからは「お年寄りの介護となればすべて女性にのしかかっている」との声もあったが、ケガをして台所に立てなくなった経験を話した婦人は「夫が懸命に台所仕事を引き受けた。男性だってその気になればやれる」と訴え、男女共同参画社会の実現するためには「いろんな場で発言すべきだ」と強調していた。