火災・救急・救命統計

昨年の火災は95件

救急車の出動は増加の一途(2月6日・水)

 大曲仙北広域消防本部は昨年1年間の「火災・救急・救助統計」をまとめた。それによると昨年一年間の火災件数は95件で、前年の70件に比べ25件と大幅に増加した。春季の好天気続きで空気が乾燥し、林野、河川敷の枯れ草火災が10件増加し、車両火災も6件、建物火災も1件の増となった。建物火災では1月の市街地における火災で、住宅や店舗5棟を全焼する火災もあった。

 火災による損害額は4億1158万円で、前年の3億3262万円より7896万円の増加となった。建物火災は59棟だった。市町村別にみると、火災が最も多かったのは大曲市の22件(前年13件)で、以下、西仙北町の15件(同5件)、協和町、太田町、千畑町、角館町、田沢湖町の8件と続いている。

 火災で亡くなった人は9人で、前年より4人多かった。9人のうち5人までが焼身自殺と言う痛ましいものだった。建物火災で亡くなったのは4人で、その中には一人暮らし及び寝たきりの高齢者もいた。

 出火原因は前年同様、たき火、ゴミ焼き、枯れ草焼きの火の不始末が最も多く22件、比率にして23%を占めた。放火も6件と多かったが、これはいずれも自殺を図るための行為だった。電気関係の5件の中には高圧線に樹木の枝が接触した火災も2件含まれている。またスプレー缶、カセットボンベなどの残留ガスに引火した火災も5件と目立った。

 一方、救急車の出動件数は3763件で搬送人員は3715人だった。前年に比べると件数で177件、人員で175人の増だった。過去4年間で726件増で、年々、救急車の出動件数は多くなっている。

 救急出動の過去3年間の内容は、全体の62%を占めているのが急病。次が交通事故で13%、一般負傷が10%だった。救急全体の傷病程度は軽症が33%、中等症35%、 重症28%、死亡4%だった。急病の年齢別では64%が65歳以上のお年寄りで、高齢化社会が顕著に現れている。また、急病の成人男性は61%、420人で、女性は39%の281人だった。

 救急車は高規格救急車1台と普通型救急車8台、それに予備車1台の体制だったが、昨年12月から仙北分署、千畑分署、太田分署の統合で東分署となり、救急車1台を新しく導入、11台となった。

 救急車が到着時、心臓と呼吸停止状態の患者は165人いて、救急救命士が医療法で認められている電気ショックによる除細動や心臓マッサージ、チューブを使って肺に空気を送る気道確保、点滴をやるための静脈路確保は計32回実施。その結果、一カ月後の生存者(蘇生率)は8人だった。問題となっている気管内送管は行ってない。普通型救急車が駆けつけた結果、患者が心肺停止となっている場合は、高規格救急車と途中で合流し、救命士が処置を行うことになっているが、その回数は13回だった。

 今後の展望として同消防本部では高齢化社会を反映し、出動件数、搬送人員とも年々増加の傾向にあり、搬送途中に呼吸や循環不全に陥る傷病者が一層、増加すると懸念する。さらに高度な救急応急手当ても要求され、搬送のみだけでなく、救命処置搬送へと変わりつつあるとしている。このため同本部では03年度には角館消防署に2台目の高規格救急車の導入を計画し、救急救命士の養成も高めたいとしている。

 また地元医師会との連携を密にし、病院前救急医療の充実を図るため「(仮称)救急医療協議会」の設置に向け検討、地域の救急指定病院及び救急指導医の協力を得て、救命処置の高度化と充実を図りたいとしている。さらに県に配備された救急ヘリコプター「なまはげ」とも連携した訓練を実施し、傷病者の搬送に時間を要する地域では迅速な救急医療を提供するようヘリコプターの活用も検討し、その基準作りも進めたいとしている。