大曲市花館のぼんでん奉納
川面にカラフルな影を落とす冬の風物詩(2月17日・日)
川を渡るぼんでんとして知られる大曲市花館の伊豆山神社の「ぼんでん奉納」は17日朝、昨年より3本多い14本のぼんでんが出て、勇壮に行われた。ぼんでんを担ぐ人たちは朝7時ごろから五穀豊穣や家内安全などを祈って町内各地を回り、あちこちで振る舞い酒を受けた。そして一の鳥居をくぐった後、雄物川堤防から旧渡し場へとぼんでん歌を歌いながら、ぼんでんと恵比寿俵を担ぎ、舟に乗って川を渡った。雪山を背景に赤や紫、浅緑色などカラフルな布で着飾ったぼんでんが川面に影を落とす姿はまさに冬の風物詩。県内外から多くのカメラマンが駆けつけ、盛んにシャッターを切っていた。
花館のぼんでんは嘉永(1845年?53)のころ、花館の肝煎(きもいり)であった斎藤勘左衛門によって始められたと伝えられている。農家の五穀豊穣を祈願しての行事だが、一説には幕末の世相の中で怠惰な生活に陥りがちな若者に活を入れようと始めたとも言われる。
渡し場には午前10時半ごろから次々とぼんでんが集まりだし、舟2艘をつなぎ合わせた渡し舟に乗った。ぼんでんは高さ3メートルほど。重さは22?3キロあるという。以前は若者中心の行事だったが、若い人たちが少なくなった今は50代、60代の人たちが担ぐようになった。また向かいの蛭川集落への渡し舟があった30年ほど前までは馬を乗せる大きな舟もあって、当時はその舟にぼんでんと若者を乗せて渡したものだった。
渡し場には地元の人も含めた多くの観光客も見学に訪れ、そばや甘酒のサービスを受けて寒さをしのぎ、カラフルな布で着飾ったぼんでんが来る度に大喜びで迎えていた。川幅80メートルほどの雄物川を渡るぼんでんは川面に華麗な姿を映し出して対岸へと渡り、そこから雪道を漕いで標高210メートルの伊豆山神社へと奉納する。神社では激しい揉み合いも行われる。