大曲橋架け替え検討委員会

3案のルート検討

「地元住民の声が欠落」とクレームも(2月19日・火)

 大曲市の大曲橋(通称・金谷橋)架け替えについて地元住民や市民代表、行政が話し合う「大曲橋架替検討委員会」の2回目の委員会が18日、同市の大曲プラザたつみで開かれた。検討委員会は先月21日に発足、事業主体となる県は現橋の5メートルほど上流に架設する「現道案」と現橋から35メートル上流に架設する「現道応用案」、それに約200メートル上流に架設する「バイパス案」の3つのルートを提示。この日はそのルートのメリットやデミリット、生活環境への影響などを評価、検討する会だったが、地元住民代表から「ルート図面を見ると金谷町住民に与える影響が大きい。県は地元住民への説明会を開くべきだ」などと厳しい注文が出された。

 委員会は金谷地区、大川西根地区の住民代表と地元選出の市議、それに市民代表、大曲市、国土交通省など22人の委員で構成されている。地元住民12人が傍聴して、委員会のやり取りを見守った。

 始めに県仙北建設事務所の担当者がそれぞれのルートについて交通渋滞の改善、冬期間の安全性を含めたカーブや勾配などの道路構造上の問題点、生活環境への影響などについて説明した。

 金谷地区住民が関心を寄せるのは生活環境への影響。橋の架け替えと同時に前後の道路も拡幅されるため、現道案だと沿線両側49世帯の家屋の大部分が移転を要するという問題を抱える。一方、現道応用案でも南側住宅地20世帯の大部分の移転が必要だからだ。また現道案、現道応用案とも新道が高くなり、車の乗り入れが直接出来なくなり、側道を介した出入りとなるなど生活環境も一変する。一方、金谷交差点から大曲農業高校の実習農園を分断するバイパス案を取っても、生徒たちの交通安全上の問題も生じる。

 県側の道路の性能説明では現道案、現道応用案とも道路が拡幅され、大型車を含め通行がスムーズになるとしている。しかし、バイパス案だと金谷交差点で国道13号方向への流れが右折となり、交通の流れに新たな阻害が発生するとしている。またバイパス案では大曲橋前後と大川西根の元木交差点の3カ所にきついカーブが生じ、車の走行性に問題が出てくるとしている。さらに橋の前後のカーブが冬期間は吹きさらしとなり、路面凍結も予想されるとしている。また国道13号方向から走ってきた場合、従来は真っ直ぐな道路が金谷交差点で大きく左折迂回することになり、直進方向が行き止まりの使い難い道路となるとしている。

 こうした説明に対し、地元住民代表の委員からは「生活環境への影響の項目には欠落がある。地元住民から意見を聞いてまとめたものでない」とのクレームが付けられた。一方を同席を求められた大曲農業高校の伊藤甫校長は「バイパス案だと農業高校の顔である農場が道路で二分され、生徒たちの実験実習といった学習にも大きく影響し、交通安全上の問題も生じる」などとして同校の敷地内を通るバイパス案は「避けてもらいたい」と要望した。別の委員からは「3つの案とも家屋移転が伴うもの。そのためには今より良くなるという補償さえあれば難しい問題ではない。先の見えないものに協力してくれと言っても無理だ」と生活の補償を具体化すべきだとの意見も出された。

 さらに架け替え時期に対する質問に対して県は「国庫補助事業でもあり、建設中の西道路との関連もあって可及的、速やかにとしか言えない」と述べた。また3案とも事業費は100億円程度となると見込んだ。3回目の委員会は3月中に開き、計画ルートを特定する。県側はその前に地元で経過報告をしたいとしている。地元住民は「架け替えに反対しているのではない。10年以上も前から要望しているのでようやくテーブルについてくれたと歓迎している」と述べた。