消防職員意見発表県大会

大曲仙北広域本部の伊藤さんが最優秀に

人の心が分かり、思いやりのある消防士に(2月22日・金)

 最優秀に輝いた伊藤さん第25回消防職員意見発表県大会が21日、秋田市文化会館で開かれ、「心の分岐点」と題して発表した大曲仙北広域消防本部の伊藤岳さん(25)が最優秀賞に選ばれた。大会には県内各消防本部の代表16人が参加、現場体験を通じて考えたことや消防士としての提案や目標などを訴えた。

 県消防長会の主催で、職員の意識改革を進めながら、現場の意見を消防行政に生かそうと毎年開いているもの。

 伊藤さんは町内会の防災訓練参加した80代と思える老人が懸命に消火器を使って火災に立ち向かおうとする姿を見て、お年寄りは「火を消すよりも、逃げることが大事なんですよ」と注意。しかし、その老人から「寝たきりの妻と二人暮らしだから、逃げるだけではだめなんだ」と言われたひと言に「相手の立場も考えず、消防署員として通り一遍の話をしてしまった」と後悔。それからは老人クラブや高齢者が集うサークルに積極的に出向き、一人暮らしなのか、寝たきりの人はいるのか、消火器はあるのかなどアンケート用紙に記入を求めた。そしてその結果に基づいて、寝たきりの人がいる場合は、災害時に布団ごと玄関まで引き出せるよう帯を布団に縫い付けておくことや119番通報よりも避難を優先させることなど、消火器の使い方だけでない、きめ細かい指導をしていきたいと訴えた。

 そして消防吏員として採用された時に祖母から言われた「人の心が分かり、思いやりのある、いい消防士になるんだよ」の言葉を胸に刻み、防災訓練で「寝たきりの妻がいるんだ」とこぼした「おじいさんとの出会いを消防士としてのスタートラインにしたい」と熱弁した。

 伊藤さんは「発表しただけで満足感でいっぱいだった。表彰式で最優秀賞として名前を呼ばれた時は『まさか自分が』と思ってびっくりしました」と語った。伊藤さんは県代表として4月18日に仙台市で行われる東北大会に出場する。