JA秋田おばこ経営改革で労組と対立

赤字続きの経営にデフレが追い打ち

職員の早期希望退職募集と賃金カットへ(2月26日・火)

 JA秋田おばこの本部大曲市に本部を置く「JA秋田おばこ(職員数約1000人・高橋嘉吉組合長)」が、経営環境悪化のため職員の早期希望退職者を募集すると同時に、経費削減策として02年度1年限りの条件で賃金の平均7.2%カット、定期昇給の停止などの経営改革方策を示した。これに対して秋田農協労秋田おばこ支部(手塚稔支部長)は「何ら手立てもないまま一方的に職員に突きつけた賃金カットとリストラ。経営者側が基本的な収益改善をどう進めるのかを具体的に示してもらわない限り受け入れられない」と対立を深めている。

 JA秋田おばこは1998年4月、大曲市と仙北郡内20のJAが合併して誕生した。しかし、昨年6月の通常総代会での業務報告によると合併後は経営が連続的に赤字体制となり、合併1年目の98年度は1億9400万円、99年度は2億4000万円の赤字を出した。2000年度はかろうじて3300万円の黒字決算となったが、事業収益からするとすべての年で赤字の状態。

 貸出、貯金、共済、販売、購買事業実績も減少の一途をたどる一方で、販売においてはコメの減反強化や価格の切り下げ、さらにカメムシ被害のマイナス要因も加わって98年度に353億円、99年度で277億円、2000年度255億円と約100億円もの減少となっている。

 さらに事業総利益の面でも98年度に78億7300万円から99年度は70億円と8億7300万円の減少となった。事業管理費は98年度で78億2100万円から99年度は74億4100万円と減少を図ったが、収益減を埋めることはできなかったとしている。

 こうした経営危機を背景に早期希望退職者の募集に踏み切ったもので、JA秋田おばこでは「合併以来、負の引き継ぎ財産の処理に追われ経営体力を失っているところに、デフレ経済による経営環境の悪化で現状では経営維持が難しくなっている」とその理由を述べる。早期希望退職者の募集は今月15日から始まり、3月11日までとしている。対象者は満50歳から59歳までの職員50人。

 退職条件としてJA側は特別退職金として給与辞令に基づく年齢給プラス職能給の3カ月分を加算して支給するとしている。

 これに対して秋田農協労秋田おばこの手塚支部長は「私たち農協で働く労働者の生活は職員平均年収が418万円から416万円、さらには384万円と下降の一途をたどり、暮らしが成り立たなくなっている。経営改革による痛みは当然職員としても受け入れなければならないが、今回の退職条件の優遇措置を見ても金額は今の社会情勢に見合ったものではない。組合としては応じる必要はないと呼びかけている。一方的に職員に痛みを押しつけるばかりでなく、経営者側の責任と農協を守り、発展させる方策を示すべきだ」と訴え、農家組合員を巻き込んだ“春闘”を展開したいとしている。

 こうした労組側の言い分に対して高橋元司総務部長は26日、「退職者の募集についてはあくまで希望であり、強制ではない。労組側は今の農協の経営の困難さへの理解を深めてもらいたい。今度の改革は農協存続をかけたものであり、農協を守るための措置だと思ってもらいたい」と話す。