グランプリは三木さん(東京芸大)

大曲新人音楽祭コンクール

音楽家を目指して70人が演奏を競う(1月9日・水)

 グランプリに輝いた三木さん第14回大曲新人音楽祭コンクール(大曲市主催)は8日、大曲市民会館を会場に本選が行われた結果、グランプリには弦管打楽器部門にバイオリンで出場した東京芸術大学2年の三木晶子さん(20)=神奈川県出身=が輝き、賞金30万円を獲得した。

 新人音楽祭は将来性のある若手音楽家の育成を目指して始まった。回を重ねるごとに参加者のレベルも高くなり、音楽家への登竜門として全国的に知られるようになった。また過去のグランプリ受賞者や入選者の中にはプロの音楽家として活躍している人もいる。

 音楽祭は7日に予選が行われ、ピアノ、弦管打楽器、声楽の3部門に県内外から80人のエントリーがあったが、最終的に70人の出場となった。音楽家や評論家ら6氏で審査の結果、ピアノ部門から8人、弦管打楽器部門から6人、声楽部門から3人が本選出場者として選ばれた。

 本選は昼過ぎから始まり、詰めかけた聴衆を前に若さいっぱいの個性と表現力を発揮して演奏、会場からは励ますかのような温かい拍手が送られていた。午後4時半ごろには本選も終了。審査結果が出るまでの間、審査員を務めたピアニストの弘中孝氏が特別演奏を行った。日本を代表するピアニストとして海外からも高い評価を受けている弘中氏はフォーレ作曲の「ノクターンNo.1」、ドビュッシーの「プレリュードより“花火”」、そしてショパンの「ソナタNo.2“葬送行進曲つき”」の3曲を演奏。高音から低音までの澄みきった音、息をもつかせぬ迫力一杯の演奏はまるで音の“魔術師”といった趣で、聴衆は音に引き込まれ、耳をそばたてていた。

 閉会式で作曲家の北瓜道夫氏は「ボランティアの方々の協力もあって開放的で、素晴らしい音楽祭だった。審査では演奏に説得力があるか、計算された美しさがあるか、熱い演奏だったかなどに基準を置いた。皆さんは若く、十分に可能性がある。『成長期』にあるということを認識してまた素晴らしい演奏を聴かせてほしい」と励ました。最後に高橋司市長が受賞者一人ひとりに症状と楯、副賞を手渡して2日間の幕を閉じた。

 グランプリに輝いた三木さんは4歳からバイオリンを習い、これまでに神奈川県でのコンクールでも最高賞を獲得したことがある。大曲市での新人音楽祭を知ったのは大学に張ってあったポスターで。今回はE.イザイの「無伴奏バイオリンソナタ第4番ホ短調op.27−4」を演奏。

 「演奏では反省することもいくつかあったが、気持ちよく演奏できた。将来は人の心に残るような演奏家になりたい」とプロを目指す決意を述べた。そして大曲市民会館については「とても音の響きが良く演奏しやすかった」と語った。グランプリ以外の入賞者は次の通り。

 ◇優秀賞▽宮部哲居(さとい)=ピアノ・北海道=▽吉川日奈子=声楽・千葉県=

 ◇奨励賞▽宮脇貴司=ピアノ・秋田市=▽栗本純子=サクソフォン・千葉県=▽山本晶子=パーカッション・東京都=