農業を学ぶ高校生が夢や希望を語る
登校拒否を乗り越え、憧れの農業高校へ入学の体験発表も(7月1日・月)
県内の農業高校の生徒たちが各種意見を発表し合う学校農業クラブ連盟主催の「各種発表会」が27、28の両日、大曲市の中央公民館で開かれた。発表会は「意見発表」とグループでの研究を中心とした「プロジェクト発表」の2部門あり、大曲農業高校や金足農業高校、鷹巣農林高校など県内5校から個人も含め26チーム70人が参加した。
意見発表は▽農業の流通や経営▽産業人としての生き方▽地域の文化や生活を課題に、プロジェクト発表も▽農業の流通や経営▽地域文化や生活?に加え「技術の改善と普及」をテーマに発表があった。
大曲農高の粟津友理さん(生活科学科・2年)は「ハードルを乗り越えて〜農業に癒され立ち直った私〜」と題して、両親の離婚、引っ越し先の神奈川県の小学校で受けたイジメで5年生から学校へ行けなくなり、中学校さえも入学式に出ただけだったと悲惨で、辛い体験を赤裸々に語った。「中学3年生になり、高校受験が近づくにつれて『これではいけない!』『このままでどうなるんだ!』と考え、悩んだ」と粟津さん。偶然、姉が通っていた大曲農業高校が話題になり、小さい時から祖父母の農作業を手伝っていた粟津さんは「農業を勉強しよう」と同校への入学を決意、高校入試2カ月ほど前から毎日、不登校児が集まる相談指導学級に通い、無我夢中で勉強、憧れの高校へ合格する。
「自分が心底望んで入学した高校生活ですから、毎日が楽しくて仕方がありません。辛いことがあっても、今では自分の力で乗り越えられる自信がつきました。自然豊かな環境の中で、生き物たちとふれあい、作物の生育を見守りながら、心がいやされました」と発表。「農業からもらったたくさんの元気をもとに、今度は私からみなさんへエネルギーを発信し、自分の可能性に挑戦したい」と訴え、聴衆の高校生たちに深い感動を与えた。
同じく大曲農高の今野慎吾さん(生物工学科・3年)は「光射す農業に向かって」と題して横浜の中学生との農業体験を通した交流や農薬問題などを語り、学んでいるバイオテクノロジーを駆使し、「農薬で長持ちさせるより、長持ちする新しい品種を作ったり、病気に冒されていない自然に美しい花を育てたり、農業をより豊かなものに変え、消費者と生産者とのパイプラインとなる光り射す農業を目指したい」と訴え、勇気を与えた。
プロジェクト発表では「有機農産物の流通に関する研究」(金足農高)、「地域に貢献する私たちのバイテク技術」(増田高校農業科学科)、「エコロジー大作戦!〜環境・農業・食生活の調和を目指して〜」(大曲農高)など高度で専門的な研究発表があった。
審査は佐々木晃一郎県立農業科学館長を委員長に行われ、各部門から東北大会に出場する「最優秀賞」6つの作品が選ばれた。東北大会は8月29日から30日まで山形県の庄内農業高校で開催され、さらに10月に京都で開かれる全国大会に代表が出場する。来年は秋田県がこの全国大会の会場となり、10月に開催される。大曲はプロジェクト発表の会場となる。
審査の結果、最優秀作品は次の通り。
◇意見発表▽A=「光射す農業に向かって」・今野慎吾(大曲農高生物工学科3年)▽B=「ハードルを乗り越えて〜農業に癒され立ち直った私〜」・粟津友理(同生活科学科2年)▽C=「地域に根ざした福祉を目指して」・小松明日香(同・同)
◇プロジェクト発表▽A=「バークの堆肥化と有効活用」・大曲農高農業科学科▽B=「コアニチドリの繁殖法の研究」・鷹巣農林高農業科▽C=「エコロジー大作戦!〜環境・農業・食生活の調和を目指して〜」・大曲農高生活科学科。