大曲市の特別養護老人ホーム「欣寿園」
地蔵尊の講中やお年寄りらが焼香して祈願(6月21日・金)
大曲市飯田の特別養護老人ホーム「欣寿園」には「ぼけよけ地蔵尊」が祭られている。“ぼけ”いわゆる痴呆にならないよう手助けしてくれると信じられているお地蔵さまだ。同園で暮らしているお年寄りの心のよりどころにしたいと1985年に和歌山県海南市にある「禅林寺」の「ぼけよけ地蔵」から分心してもらい建立した。高齢化社会と共に「ぼけ(痴呆性)老人」が社会問題となり、その救いをお地蔵さまに求めたもの。21日にはその「ぼけよけ地蔵尊祭り」が、講中の会(佐藤富彦会長)の主催で同園で行われた。
講中の会はぼけよけ地蔵尊が祭られたのを機にみんなでお地蔵さまを大切にお守りをしようと、一般の人たちが会員となって86年4月に発足した。以来、毎年、6月21日にお祭りを開いてぼけ防止のお祈りをしている。
祭りは同園の食堂ホールで開かれた。お地蔵さんは普段、玄関内に安置されているが、この日はホールステージに移動。祭りには会員104人のうち30人ほどが出席した。欣寿園の入園者も50人ほどが参加し、同市蛭川の見秀寺の佐々木正秀住職が読経した。そして一人ひとりが祭壇に立ってお焼香をしてぼけ防止を祈った。体が不自由で車いすに乗ったお年寄りには介護士さんたちが焼香箱を持ち運んだ。信心深いお年寄りたちは焼香箱が目の前に来ると抹香を丁寧にささげ、何度も何度も両手を擦り合わせて合掌していた。
お地蔵さんは高さ107センチの白御影石。お地蔵さんの足元におじいさんとおばあさんの像があって、お地蔵さんが手にしている長い数珠に縋り付くように立っている。ぼけ防止のためにはお地蔵さまの頭を3回、心を込めてなで、その手で自分の頭を3回なでて合掌するとご利益があるとされている。入園者のお見舞いに来る人たちにもお祈りする人が多く、お地蔵さんの頭は手あかで少し黒くなっているほど。
佐々木住職は読経を終えると「今日は皆さんが健康でぼけることなく、長生きし、楽しく幸せな毎日を過ごせるようお祈りした。お地蔵さまは温かい心の持ち主。悲しいことや辛いことがあってもそれを分かち合って下さる。心のよりどころとしてこれからもお地蔵さまをお参りして下さい」と呼びかけた。佐藤会長も「これからもお地蔵さまに親しんでもらい、心のいやしとして欲しい。分心を受けて17年になるが、20年、30年、50年と歴史を刻んでもらいたい」とあいさつした。
同園を運営している県南ふくし会の石川勝三理事長も91歳になるおばあさんが発行した詩集を手に「みなさんもいろんなことに挑戦してみて下さい。職員がそれを手伝いますから」と元気づけていた。お祭りの後は「大曲玉扇会(福田玉栄会長)」のメンバーが駆けつけ、お年寄りたちに踊りを見せて慰労した。