角館南高校

生活科学科閉科へ

少子化の荒波、生徒たちが別れを惜しむ(3月2日・土)

 全校生徒が参列しての閉科式少子化のあおりを受けて学生確保が困難となって01年度限りで「生活科学科」の廃止が決まっていた県立角館南高校(伊藤一郎校長・生徒数487人)で2日午後から、同科の「閉科式」を行った。明日3日の卒業式で生活科学科の生徒34人が卒業すると同時に同科は廃止される。

 体育館で行った閉科式には全生徒が参列。伊藤校長は「生活科学科が創設されたのは今から15年前の昭和62年4月1日だった。しかし、そのルーツは昭和24年の定時制過程被服専修科設置に逆上り、以後、27年の家庭科、41年の家政科と名称を変更しながらも、52年もの長い歴史をもっている。この間、被服、食物、保育、福祉など専門の科目を学び、その専門を生かしての就職、あるいは結婚して円満な家庭生活を営むための基礎的な素養を身につけた卒業生を数多く送り出した。輝かしい歴史を持つ生活科学科が少子化という社会の荒波に対抗できないままなくなるのは残念でならない。卒業する皆さんは本校生活科学科で学んだことを誇りとし、それぞれの進路において精一杯頑張ってほしい」と呼びかけた。伊藤校長はさらに「先ほどは52年の歴史と言ったが、授業の内容としては高等女学校時代まで逆上り、創立以来の73年の歴史が閉ざされることになる」とも述べた。

 また来賓として招かれた山形良子同窓会長も演壇に立ち「大切な学習を学ぶ科がなくなるのは残念。私たちが入学した昭和16年は家庭にはミシンも調理道具もなかった。この学校に入学して裁縫の仕方やミシンの使い方、調理の仕方を学んだものだった。卒業される皆さんは母校の思い出を大切にし、忘れないでほしい」と訴えた。

 続いて生徒代表の榊田由依さんが「思い出のアルバム」と題してこの3年間、同校で学んだ授業や部活動などを大型スクリーンに映し出された写真で紹介。「子どものワンピースの作り方を学んだり、特別養護老人ホームで介護の実習も受けた。介護はお年寄りの優しさを学んだ実習だった。そして12年度の高校生による食生活改善研究活動の発表では最優秀の文部科学大臣賞を受賞するという思い出を残した。卒業と同時にこの学科はなくなるが、生活科学科の最後の卒業生であることを誇りとしたい」と胸を張った。

 生活科学科の思い出を語る榊田さん榊田さんら生活科学科の生徒6人が取り組んだ高校生による食生活改善研究活動「I&You食生活」は「牛乳とカルシウム」をテーマにしたもので、角南の生徒112人と母親65人の骨密度を測定。その結果▽生徒で50歳代の骨密度しかないのが47%もいる▽年齢相応の骨密度の生徒は26%しかいなかった▽母親よりも骨密度の低い生徒が70%もいた▽牛乳を飲む習慣とその量が骨密度と関係がある?として「牛乳を加えたきりたんぽの試作、乳製品を多用する食品の味付けの工夫と試食、その感想をまとめる」へと踏み込んだ実践的な調査研究は高校生のレベル超えた内容だと高く評価された。

 生活科学科の閉科で後は普通科と衛生看護科だけとなるが、衛生看護科も03年春に卒業生を送り出すと幕を閉じる。そして04年度からは普通科だけの3クラス9学級の高校となる。教職員たちは「残念だ。寂しい限り」と時代の趨勢に飲み込まれ、高校の規模が縮小されていく現実を見つめ、寂しさを募らせていた。