寺田知事、郡内を駆け回る
合併で大曲市の裏町になるのはいや?の声も(5月17日・金)
市町村合併をテーマに知事と語る「市町村合併トーク」が仙北郡でも9日から始まっている。9日は角館町、西木村、田沢湖町の順番で、14日は中仙町、太田町、千畑町の順で、そして17日は仙北町、六郷町、南外村のコースで寺田典城知事が駆け回った。トークは知事自らが各市町村に出向き、合併の必要性や是非について市町村長及び市町村議会議員と意見交換を行い、それぞれの首長と議員が住民に向けてリーダーシップを発揮してもらいたいと始まった。仙北町と六郷町でトークを聞いた。
トークではまず寺田知事が「地方分権によって、行政は自らの責任と自己決定でまちづくりをする必要性が迫られている。そこで出てきたのが合併特例法だ。なぜ合併が必要なのか。国は今までのような地方への補助はできなくなった。市町村もこのままではやっていけない。規模拡大で効率的な行政を目指さなければならない。合併は財政的な面でメリットが間違いなくある。平成17年3月まで合併特例債を活用して合併するか、自分の町は自分で生きていくと、どちらかを選ばなければならない。合併しなければ地方交付税は確実に2割は削減される。来年の今ごろまで合併するかしないか、土俵に上がって相手を探さなければならない。町の将来をどうするか、勇気を持って話し合いに乗ってもらいたい」と語りかけた。
仙北町では議員から「山間部、特に西木村桧木内や田沢湖町の奥の集落などをどうやって守っていくのか」「特例法の期限である17年3月まで間に合わなかった場合はどうなるのか。救済策はあるか」「農協の大型合併があったが、農家の人たちは合併のメリットは何もなかったと合併へのアレルギーを持っている」などの声が出た。
六郷町でも「国は合併特例債という大型の補助を示しているが、全国的にやった場合、国家の財政はそれに耐えられるのか」「国は押しつけではないと言うが、期限を設けており、合併しないとこうなると強迫観念を与えている。合併しない町に何らかのペナルティはあるのか。また県には合併しない町への支援はあるのか」「まだ住民とのコンセンサスが出来てない。将来に禍根を残さないためにももっと時間がほしい」などの質問や意見があった。
これに対して寺田知事は「土俵に上がってもらわないと話し合いにならない」と合併を前提とした話し合いの場への参加を求め、「合併特例法の期限である17年3月が延びることはないだろう」との見通しをつけた。さらに合併しなかった場合「国がペナルティを与えるようなことはない」とし、合併しなかった町への県の支援は「合併するために県も応援しているのであって、合併しないで財政的に苦しくなったからと支援するのでは筋が通らない」と述べた。また合併特例債について「財政的に苦しいながらも国が最後の力を振り絞って設けた制度だ」とそのメリットを活用すべきだと強調した。さらに「地方交付税が将来、2割削減されてやっていけるのか」と選択肢は「合併する、しない」の二つしかないことも示した。そして時間が足りないとの不満には「残された3年という時間はものすごい時間だ」と努力を求めた。
六郷町の集客施設「湧太郎」で開いたトークでは80人ほどの傍聴者がいて、町民からも意見が出た。マイクを握った町民の一人は「六郷町が大曲市と合併して、大曲の裏町になるのは好まない。周辺5町村となら経済、文化面でもつながりがあり、この5町村で新しい市を誕生させたい」と大曲市を含めた合併に反発を示した。逆に「消防は広域で大曲仙北一つとなっている。もっと大きくものを考えるべきだ」など大曲仙北が一つになるべきだと主張する声もあった。
寺田知事はジョークを交え「大曲と合併したい町村はどこもないのか。これじゃあ、大曲が大きく構えて、何でも聞くからとひざをつくしかないな」と傍聴者を笑わせていた。トークの後の雑談で町議の一人は「大曲仙北が一つになるとしたら、新しい市役所の位置を大曲市以外でも構わないといった条件も必要となるだろう」と話していた。
合併トークはこの後、20日には仙南村と神岡町で、21日には協和町と西仙北町で開かれ、6月10日には大曲市でも開催される。