元助役の伊藤氏、前副議長の本間氏
一騎討ちの激戦へ、町議補選にも二人が出馬(5月21日・火)
任期満了(6月8日)に伴う仙北町の町長選は21日告示され、午前8時半から町役場で立候補の受け付けをした結果、元助役の伊藤稔氏(60)=無所属・農業、横堀字表木(たわらぎ)=と前副議長の本間輝男氏(51)=同・同、堀見内字福嶋=が届け出た。受け付けは午後5時で締め切られるが、小西省吾町長(72)は今期限りで引退を表明しており、伊藤、本間両新人による一騎討ちがほぼ確実だ。一方、本間氏の町長選出馬で欠員となった町議選も同時に告示され、自民党・御法川英文代議士秘書で農業・大山利吉氏(55)=無所属・同町堀見内字下田茂=と農業・大西茂雄氏(56)=同町高梨字一ノ坪=が立候補を届け出た。大山、大西両氏とも新人。投票は26日で、午前7時から午後7時まで町内7カ所の投票所で投票が行われ、午後7時45分から役場隣の就業改善センターで即日開票される。大勢が判明するのは町長選で午後9時ごろ、町議選は同10時ごろの予定。
|
|
|
伊藤、本間両候補の選挙事務所開きと出陣式は共に午前7時半から行われ、神事で必勝を祈願。それぞれの事務所には次々と支持者が駆けつけ、第一声のマイクを握る午前9時ごろには共に400人前後の人で埋まった。伊藤候補は前回の町長選に続いて2度目の挑戦。「絶対、負けられない戦い。総決起大会以来、ムードは日増しに良くなっている」と陣営の幹部は自信を深めた。本間候補の陣営でも「相手は一度、町長選を経験している。こちらは初めての戦い。出遅れ、知名度不足はあったが追いついた」と意気込みは負けてない。
同町の町長選と言えば町民も過熱し、町を二分しての戦いとなる。議会も伊藤派、本間派と分裂。17人の議員のうち公明党、共産党も含めた10人の議員が伊藤候補を支持し、7人が本間候補を支援している。一方、この日の出陣式には顔を出さなかったものの伊藤候補の後援会事務所開き、そして総決起大会には御法川代議士も応援に駆けつけ檄(げき)を飛ばすなどてこ入れを図っている。そして本間候補へは小西現町長、それに自民党の原盛一県議がピッタリと寄り添うように応援するなど、同じ自民党同士でねじれ現象も起きている。
伊藤候補の出陣式でマイクを握った大河隆文総括責任者は「いよいよ本番を迎えた。1月の出馬表明以来、150の団体、会社、個人の推薦を頂いた。そして自民、公明、連合秋田からの推薦もあった。これまでの町長選でこうした政党の推薦はなかった。それほど今度の選挙では伊藤さんに期待が掛かっているということだ」と声を振り絞り、「町民一人ひとりが幸せを実感できる町にするため、皆さんの力で伊藤稔を男にして下さい」と訴えた。
演壇に上がった伊藤候補は「4年前は私の不徳の致すところで、皆さんにご迷惑を掛けた。しかし、この4年間は貴重な経験だった。皆さんと町の将来を語り、皆さんの声、智恵がこの体にしみ込んだ。この5日間の戦いでありったけのエネルギーを燃やし、雇用、農業、あらゆる産業に従事している方々の生活環境、少子高齢化、市町村合併など山積している課題に方向づけを示し、会話と協調性、開かれた行政を基本に、子どもに夢と希望を、お年寄りに笑顔と生きがいを、働く人には笑顔と働きがいを与えられる町を目指したい」と訴えた。第一声を終えて演壇を下りた伊藤候補は目の前を囲んだ群衆に駆けつけ、一人ひとりとがっちりと握手し、選挙カーに乗り込んだ。
一方の本間候補陣営では鈴木節郎総括責任者が最初にマイクを握って「本間さんは生活に密着した政策を一つひとつ計画的に実施して行く人だ。地方の時代と言われている。これからは国や県からの縦割り的な政策を実施するだけでなく、地域からの声を発信し、住民の生活を守っていく政策が大事だ」と訴え、「この選挙戦を通じて本間さんに大輪の花を咲かせてほしい」とエールを送った。続いて小西町長が「私の後を継ぎ、若い情熱と力をこの町に傾けたいと言う決意をされた本間さんを何とか勝利に結びつくよう支援してもらいたい」と応援した。
第一声のマイクを握った本間候補は「出馬表明してからこの5カ月間、町民の方々からいろいろと教えを受けた。飲み水の問題、福祉の問題、道路、行政の問題、農業振興、そして子どものゆとり教育など。その教えの中から考えたことは、大きいことよりも小さいことを確実に仕上げていく町政が大事ではないかということだ。道路を造るとか、体育館を建てるとかを言う前に、町民の方々が常に考えている小さいことの繰り返しの中にこそ町民が豊かさを実感できるものがある」と訴えた。そして「私は雑草軍団の中で育った男だ。名選手、必ずしもいい監督ではない。何とか私を町のリーダーに、男にしてもらいたい」と叫んだ。
伊藤氏は▽安定した生活を営む働く場の確保▽安心して使用できる生活用水の供給▽やりがいと夢の持てる農業の振興▽町内老朽化施設の早期着工の実現▽町の振興、発展につながる道路網の整備▽安心して子どもを産み、育てられる施設の充実などを公約として掲げている。市町村合併に関しては「当選したら大曲市の合併に向けた任意協議会の呼びかけには参加するつもりだ」と積極的な姿勢を示し「体育館の改築、サッカー場の誘致などこの町の立地条件の良さを訴え、合併に向けて仙北町のために何をやってもらえるのか、合併をプラスの方向に持っていきたい」と話す。
本間氏は▽介護と福祉の機能充実▽社会スポーツの充実で健康生活の推進▽農産加工品の開発販売と仙北ブランドの育成支援▽雇用を創出する産業興し▽下水道の整備促進▽飲料水の安全供給▽郷土学習と世代交流の促進▽子育て支援センターの設置などを公約としている。市町村合併に関しては「町長選で勝っても、すぐに結論を出すのは難しい。農協が合併して良かったと思っている町民は一人もいない。結論を出すのは町民であり、時間をかけて話し合いたい」と慎重だ。
同町の有権者数は男3124人、女3509人の6633人。
伊藤稔候補=県立大曲農業高校卒。同町議連続4期当選。町監査委員、議会総務委員長を歴任。1991年7月から94年6月まで町助役。
本間輝男候補=県立大曲農業高校卒。1992年3月の町議選で初当選、以来、連続3期。議会産業建設常任委員長、議会運営委員長を経て2000年3月に副議長就任。