出前県民会議「出産・夢ある子育て」

角館町で出産テーマに講演とトーク

お母さんたちが子育てをテーマに意見交換も(5月22日・水)

 子連れでの参加も多かった出産について考えようと出前県民会議「出産・夢ある子育て」をテーマにした講演とトークが22日、角館町の広域交流センターで開かれた。同センターを会場に子育て中のお母さんたちが集まって、友だちの輪を広げている「ピッカブー赤ちゃん会」と夢ある子育て・家庭づくり県民会議が主催した。50人ほどのお母さんたちが参加して講演を聞き、子育ての悩みや意見交換した。湯沢市や大館市、秋田市からの参加もあった。会場には託児室も設けられ、子連れのお母さんたちも安心して耳を傾けていた。

 この講演とトークは女性だけしか体験できない“お産”を後悔することなく、豊かなものにしたいと企画した。はじめに秋田市で助産院「産婆の家」を開業している後藤佐恵子さんがお産について講話。後藤さんは「病院で単なるベルトコンベヤーに乗せられたようなお産はすべきでない」とお産のため入院したら自分の意見や希望を主張し、病院とのコミュニケーションを持つべきだと訴えた。そして「病院では生まれた赤ちゃんは新生児室で休ませるが、赤ん坊は眠っていてもお母さんから離されたのが分かる。生まれたばかりの赤ちゃんを新生児室に隔離するのはウヨウヨいるばい菌に感染されないようにしたいためだが、お母さんの肌に触れ、お母さんの体から雑菌が着くことで赤ちゃんの免疫力も高まるし、お母さんのそばで眠っていることで精神的にも安らぐ」と自然な出産を勧めた。 後藤さんは湯沢市出身。県立衛生看護学院助産科を卒業後、病院に勤務したが、病院での出産に疑問を持ち退職。神奈川県海老名市の産院で自然出産を学び、1999年から秋田市で助産院を経営している。

 続いて「ピッカブー赤ちゃん会」の事務局にもなっている角館町の「あゆみ鍼灸指圧治療室」の佐藤あゆみさんも「妊娠中の生活について」などを語った。佐藤さんは日本鍼灸理療専門学校を卒業後、東京・中野の「松が丘助産室」で約10年間、産前産後の整体治療や母乳マッサージをやり、2000年に同町で開業した。佐藤さんは「妊娠中はボーッとしていることが大事。難しいことだが『したくないことはしない』『したいことだけやり』、心の広がりを養うことだ」と妊娠中の精神的な安定と散歩することなどを勧めた。また「妊娠中は体がマイナスの方向へ向かってしまい、産後太りや腰痛が起きることもある」とし、「自然なお産」と産後は骨盤が整うまで「ゆっくり休むこと」が大切だと訴えた。

 二人の講演の後は参加者同士のトークとなって「子どもを産む前は子育てなど不安ばかりだったが、産んでからは自分の世界が変わった」と子育てによって自分自身も大きく成長した喜びを報告したお母さん。さらには「子どもを安心して連れて行ける児童館があればいい。そうした場で自分のお父さん以外の人に遊んでもらうことも大切ではないか」、「子どもはいつ病気になるか分からない。24時間体制で赤ちゃんのサポートをしてくれるようなホームドクターがいてくれたら」、「子どもを安心して遊ばせる公園が少ない。遊具を置くより、砂場が遊びの場として喜ぶ」などの意見があった。

 県健康福祉部子育て支援課子ども企画班では本県の少子化と子育て環境について説明。それによると1970年の年間出生数は約2万人だったが、2000年は9000人とほぼ半減。出生率は6年連続で全国最下位になっているという。その原因は女性の社会進出や子育て負担感に伴い、未婚率が上昇したためと言われ、結婚年齢も遅くなり、結果として子どもの数も減少したという。

 子ども企画班では「子どもを産んでも大丈夫という環境づくりが必要。そのためには夫も含めた周囲の人が子育てに協力するのも大切」と訴えた。同時に「少子化が社会問題となったのは5年ほど前から。市町村も少子化対策に本腰を入れ始めているので、お母さんたちもそうした声をどんどん出してほしい」と子育て環境を変えるためにはお母さんたちの意見が大切と行動を求めた。