西仙北町商工会、町興しに
昔懐かしいゼンマイ貝焼を復活、素朴な味が好評(5月23日・木)
西仙北町商工会(佐藤賢治会長)では町興しへの期待を込めて西仙北名物田舎料理として「大綱薇貝焼(おおづなぜんまいかやき)」を復活させ、6月1日から町内の飲食店で商工会推奨の料理としてメニューに加えることになった。22日夕、その発表を兼ねた試食会が同商工会館で開かれたが、出席した関係者は「ゼンマイの素朴な味が引き出され、昔懐かしい山菜料理だ」と好評だった。
戦前戦後の昔、大きなほたて貝を鍋がわりにし、それに具を入れ、七輪の炭火で煮込んだのが貝焼(かやき)だった。寒い冬、体も温まる料理としてまたおふくろの味としても重宝がられたものだった。特に西仙北町では地元の山で採れる豊富なゼンマイと豚肉などをみそ味で煮込んだ貝焼が家庭料理として食卓をにぎわしたものだったという。
しかし、食べ物もまたその種類も豊富になると共にその貝焼は忘れられてしまった。佐藤会長は「昔に帰ってみよう」と地元で採れるゼンマイを使った貝焼の再現を思いつき、一カ月半ほど前からゼンマイを取り寄せ、試食を重ねた。そして「これなら昔懐かしい故郷の味として四季を通じて賞味できる」と自信を付け、町の名物料理として地元飲食店への普及と定着を図ることになった。
今は鍋に仕えるような大きさのほたて貝は手に入らないため、貝の形をした鉄とアルミの合金鍋で煮込むことにした。貝焼の発表会であいさつした佐藤会長は「中身を見れば詰まらないものかもしれないが、飽食化、美食化の時代でりっぱなオードブルを出しても手を付ける人もいない。なら昔に帰って、みそ味のしょっぱい田舎料理を現代に再現し、町の名物料理にしたらどうかと思った。飾りっ気もなく、味も素朴だが、愛されるものになると思う」と自慢した。
材料はゼンマイ、ブタのバラ肉、豆腐、長ネギ、油揚げ、春菊、タマゴ、味噌、調味料だけだが、グツグツと煮込んだ貝焼に箸を付けた招待客は一様に「うまい。おふくろの味を思い出させる懐かしい味だ」と大喜び。ゼンマイとみその相性が抜群で、ご飯のおかずはもちろん、酒のサカナにもピッタリと好評だった。小木田昭助役も「4月10日に開通した西仙北インターチェンジは一カ月の利用者が2万台、1日平均600台を数え、この町に寄ってみたいと関心が高まっている。この貝焼料理がこの町に足を運び、食べてもらえる素材となれば町活性化にもつながる」と期待を込めた。
同商工会では町内の食堂や温泉、料理店、それにぬく森温泉「ユメリア」など貝焼セットとして鍋とコンロ、杉の敷板、スプーンの4点をセットにしたのをそれぞれ10組寄贈、普及を図ることにした。また都会の人にも食べてもらえるようギフトセットにすることも検討している。
同町は小正月行事の「大綱引き」が冬の観光の目玉となっている。その綱引きの町としての相乗効果を図ろうと名付けた「大綱薇貝焼」。貝焼の料金は500円。ご飯に刺身、漬け物をセットにした貝焼定食は900円の予定。