大曲署で呼びかけ
西仙北町での重傷事故、笛が役立ったと強調(5月25日・土)
西仙北町で22日朝、タケノコ採りの女性(70)がクマに襲われ重傷を負った事件を受けて大曲署(渡辺孝雄署長)では24日、緊急クマ対策連絡協議会を開いた。これから山菜シーズンに入るため、クマと遭遇して、再び住民が襲われる危険性が高くなることから同署が呼びかけた。協議会には県総合農林事務所や管内10市町村の林務担当者や猟友会のメンバーら25人が出席、クマが出没した場合は市町村の枠を超えて横の連絡を密にし、被害防止に努める事などを確認した。
協議会ではまず大曲署の生活安全課長がクマの被害防止策として▽ラジオ、笛、鈴などの音を出しながら入山する▽小グマのそばには親グマがいるので絶対近寄らない▽クマが近寄る原因となる食べ物を山に捨てない?など注意事項を確認した。
特に西仙北町であったクマ被害では、一緒に山に入った女性が、はぐれた時に使おうと持っていた笛を繰り返し吹いたところ、クマが逃げたことから、同署では笛など鳴り物の持参が大事と強調していた。そして「単独での入山では事故に遭っても救助を求められない」と山菜採りで山に入る時は二人以上で行動することを勧めてもらいたいと協力を求めた。
同署管内では昨年度、クマの出没届けは48件あった。しかし、人身被害はなかっただけに今回の西仙北町での重傷事故の発生には警戒感を高める。
一方、県総合農林事務所の報告では昨年度のクマの有害駆除許可件数は94件あり、クマの捕獲数は76頭にもなった。例年にない異常な出没数だったと県。捕獲が最も多かったのは西木村の27頭で次いで田沢湖町の16頭、協和町の15頭だった。また月別の捕獲数では10月が36頭、9月22頭だった。人身事故は全県では15件で、同所管内では3件だった。角館町では54歳の男性が昨年4月にゼンマイ採りをしている最中に樹木の穴にいたクマが突然、起き上がり爪で額、腕、足などを引っかかれ重傷。田沢湖町では10月、60歳の男性が自宅近くの農道をイヌを連れて散歩中に田んぼからクマが現れ、頭、足などを引っかかれ重傷を負った。西木村ではやはり10月、52歳の男性がキノコ採りの最中、子クマが現れ、逃げようとしたところ親クマに襲われ、軽傷を負った。
協議会ではクマ出没の届出があると有害駆除の申請を出して、駆除に動き出すが、隣の市町村に逃げてしまうことも多いだけに、市町村同士の横の連絡を密にすべきだなどを申し合わせた。
西仙北町役場の担当者からは22日のクマ被害が報道されてから、東京の動物保護団体から「クマを殺さないでくれ」との抗議を受け、対応に困ったとの報告もあった。猟友会員は「一度、人を襲ったクマは再びやり兼ねない」と保護よりも駆除の必要性の声を大にしていた。