伊藤氏が本間氏に大差をつけて圧勝
町議補選は大山氏が初当選、伊藤氏ダブルの勝利(5月26日・日)
| 町長選 | 当 伊藤 稔(60)無新 | 3,558 |
| 次 本間輝男(51)無新 | 2,431 | |
| 町議補選 | 当 大山利吉(55)無新 | 3,155 |
| 次 大西茂雄(56)無新 | 2,772 |
任期満了(6月8日)に伴う仙北町の町長選と町議補選(欠員1)は26日、投票が行われ、午後7時45分から町役場隣の就業改善センターで開票が行われた。その結果、町長選は元町助役の伊藤稔氏(60)=同町横堀字表木=が3558票を獲得、前副議長の本間輝男氏(51)=堀見内字福嶋=は2431票で、本間氏に対して1127票の大差を付けて伊藤氏が初当選を飾った。町議補選も伊藤氏に歩調を合わせた新人の大山利吉氏(55)=無所属・農業、堀見内=が3155票を獲得、本間氏と足並みを揃えて戦った新人の大西茂雄氏(56)=無所属・農業、高梨=は2772票で、大山氏が383票差で初当選となった。この選挙戦で伊藤陣営がダブルの勝利を飾ったことになる。投票率は町長選が91.56%、町議補選は91.53%だった。投票者数は町長選6033人、町議補選6031人だった。
新人同士の一騎討ちの戦いだったが、伊藤氏は前回の町長選に続く二度目の挑戦。今度の選挙戦では「この4年間は貴重な経験だった。皆さんと町の将来を語り、皆さんの声、智恵がこの体にしみ込んだ」と前回の町長選で現職の小西省吾町長(72)との一騎討ちで破れた無念さをバネに全エネルギーを投入した。またこの4年間、町興し活動などに積極的に参加、町民と触れ合いを深めたのも伊藤氏支持への大きな力となった。1月の出馬表明後は「開かれた町政を築きたい」と座談会をきめ細かくこなし、町民の“心”を捉える作戦を展開、町内全域への浸透を図った。こうした積み重ねで団体、会社、個人の推薦も150を超え、自民、公明、共産、連合秋田の地元組織も伊藤氏を推薦するなど組織的にもまとまった。議会も町議17人のうち、10人が伊藤氏を押し、集票に力を注ぐなどが必勝への原動力となった。自民党の御法川英文代議士も伊藤氏の後援会事務所開きや総決起大会に顔を出し、激励するなどてこ入れを図った。前評判が高かっただけに上滑りも心配されたが、組織がうまく回転して勝利へとつながった。
一方の本間氏は小西町長の後継者として小西後援会の組織を受け継ぎ、伊藤氏同様、座談会を精力的にこなしたものの、“町政の後継者”指名ということへの疑問や反発もあって、運動は空回した。また、これまで3回の町議選の経験があるとは言え、知名度不足は最後まで響いた。選挙戦では50代の若さを強調し、自民党の原盛一県議が選挙カーに一緒に乗り込んで遅れを挽回しようと後押しもした。しかし、告示直前になって小西町政が発注した野球場の改修工事を巡って「談合疑惑」が持ち上がり、それをうやむやの内に解決しようとしたのに対し、16日に開かれた臨時議会が工事請負契約締結議案を「否決」すると言った事態も小西陣営には響いた。
選挙戦では大曲市と隣接する新興住宅地の戸地谷地区の浮動票が勝敗の鍵を握るとして両陣営とも繰り返し、選挙カーを送り込んだが、ここでも伊藤氏の知名度に対して本間氏は遅れを取った。
就業改善センターで行われた開票作業は順調に進み、午後9時少し前には伊藤氏の当確が決まった。開票場には400人前後の町民が駆けつけ開票を見守ったが、伊藤氏の当確が決まると「ヤッター」「よし!」と気合のこもった声が上がり、駆け出す人も。選挙事務所にも携帯電話で当確の連絡が入り、事務所は勝利でわき上がった。午後9時ごろには事務所前の広場がお祝いの町民で立錐の余地もないほど。「バンザイ」、「良かった。良かった」の声が渦巻いた。
太田町、西仙北町、中仙町、六郷町、仙南村の町村長もお祝いに駆けつけ、喜びよりも緊張感でいっぱいの伊藤氏とガッチリと握手。「やっと責任を果たせた」と大河隆文総括責任者は笑顔で檀上に上がり、伊藤氏と共に万歳三唱をした。暁美夫人(54)と並んで深々と頭を下げた伊藤氏はマイクを握ると「皆さん、本当にありがとうございました」と3度繰り返し、ゆっくりとした口調で「この勝利は皆さんの勝利です」と喜びを噛みしめるように語りかけた。「ウン。んだな」と相づちを打つ婦人たち。「皆さんが私と心を一つにしてこの町の現状を変え、もっと良くしようとした勝利です。町の将来を語り、町の歩む道を方向づけ、手を携えて進もう。その気持ちがこの結果となった。この票の重さを受け止め、皆さんと共に歩んでいく。そのスタートが始まりました」と感無量の表情で謝辞を述べた。そして再び「ありがとうございました」と3度、お礼を繰り返した。伊藤氏支持に回った大山茂議長も檀上に上がって「これから伊藤町長を中心にこの町をつくっていきたい」と祝いの言葉を述べると周辺からは「おう。いいぞー」と拍手と声援がわき上がった。
選対幹部は伊藤氏の勝因を「小西町長が町政の後継者を指名するといったおごりや野球場の改修工事を巡っても談合疑惑で騒がれながらも、それをうやむやのうちに解決しようとするなど不透明さへの怒りや反発が大きかった」と分析した。
檀上から下り、ホッと一息ついた伊藤氏は「正直言って予想外の票差がついた。とにかく選挙中に約束した生活用水の確保や生活道路の整備、農業振興に向けた行政としての支援などを一生懸命にやりたい」と述べた。そして市町村合併に関しては「それも視野に入れ、町民の意見を聴きながら、町のビジョン、方向づけを探りたい」と話した。