大曲中学校で模擬議会開催

大曲市から市長ら幹部職員出席

生徒が一般質問を通じて厳しい意見も(11月18日・月)

 市長らを背に生徒たちの一般質問が行われた。大曲市の大曲中学校で18日午後1時半から「躍進議会」と題した移動模擬市議会が開かれた。子どもたちに市の自然や文化、産業などを考える機会を持ってもらい、将来への展望を考える場にしたいと県学校教育実践課題である「ふるさと教育」の一貫として2000年に大曲西中、昨年は大曲南中で開催し、今回の大曲中で一回りした。

 模擬議会は同校2年生262人を対象に多目的ホールで開いた。議長となった全校生徒会副会長の高橋なつかさんを含め、市議会と同じ24人の生徒が議員となった。残りの生徒は傍聴者として見守った。市側からは高橋司市長をはじめ、助役、収入役、教育長、それに総務、福祉保健、産業環境、建設交通の各部長が答弁者として出席した。生徒たちのやり取りを見守ろうと6人の議員の傍聴に駆けつけた。

 田中勝利校長は「私たちの住む大曲の課題や将来の展望を学び、一人の市民として自分に何ができるかを考えてもらいたい」と呼びかけた。議長の高橋さんが「この躍進議会を実りあるものにするためにも責任を持って建設的な意見を述べてもらいたい」と「開会宣告」。これを受けて招集のあいさつに立った高橋市長は「議会での答弁は市の基本問題であり、大曲市の現在、将来を考えながら間違いないよう真剣に答えている」と議会での一般質問の大切さを説明し、「人間の能力を高めるためには幅広い知識を詰め込まなければならない。時間はかかるが努力してもらいたい」と学ぶことの意義を訴えた。

 続いて戸嶋卓也君や佐藤彩さんら8人が「市町村合併」や「魅力ある街づくり」「大曲市の予算」「道路の除雪」「教育施設」などを課題に一般質問を行った。戸嶋君は「合併のニュースをいろいろと聞く。合併を進めていくメリットとデミリットをお聞きしたい」と質問すると同時に「合併で大曲中学校の統合もあるか」と聴いた。

 これに対して高橋市長は「現在の市町村数3218の基礎が作られたのは、昭和30年前後の昭和の大合併の時。そのころから日本は発展を続け、住民の収入は増え、生活水準が向上し、国や市町村も仕事やその仕事の元になる税金が増え、これをうまく分け合って順調に仕事を行ってきた」と振り返ると同時に「今から10年ほど前、バブル経済が崩れて急に景気が悪くなり、税金が増えなくなってきた。さらに若い世代の人口が減り、逆に高齢者の割合が増え、税金を収める人が少なくなった。一方では住民の健康や福祉などへの要望が増え、これに対応するには仕事を効率的に進める必要があるが、小さな市町村では限界がある」などと市町村合併がなぜ必要か、その背景を説明すると同時に大曲市と仙北郡内町村の合併の動きや合併のメリット、デミリットなどを報告し、「デミリットを生じさせないよう適切に対応したい」と述べた。さらに「大曲中学校は県内でも有数の大規模校であり、統合は考えてない」と答えた。

 戸嶋君は「質問内容は自分で考え、先生に見てもらって言葉づかいなどを直してもらった。とても緊張したけど市長の答弁は分かりやすくていねいだった。中学校の統合はないとの答えでちょっと安心したけど、市町村合併が実現したらいろんな学校と交流を深められるようにしてもらいたい」と感想を述べた。

 田口裕哉君は「歩道の除雪がされてない所が多く、大変危険だ」と「消雪歩道」の設置などを求めた。市側は機械除雪など除雪の実態を説明すると同時に「小型ロータリー除雪車が入れない狭い歩道もあり、歩行者の皆さんにご不便を掛けている」と率直に認め、歩道への無散水消雪施設計画などの報告をしていた。

 教室にエアコンを設置する計画はあるのかと言った要望や「学校給食のメニューでパンにみそ汁、ご飯に牛乳などミスマッチでないか」と厳しい声も寄せられた。出席した笹元嘉辰教育長は「学校のコンピューター室や多目的室などにはエアコンを設置してきたが、普通教室には設置してない。市内小・中学校全部の教室にエアコンを設置すると概算で約5億円の経費が見込まれる。国では学校の冷房化に対しても補助制度を設ける動きがあるが、積雪寒冷地もその対象になるかはっきりしない」と答えると同時に「体温調節機能が完全に備わってない成長段階で、冷房の効いた部屋と暑い廊下を一日に何回も出入りするのは体にとって悪影響もあるのではないかとの意見もあるようだ」とも述べ、「冷房化については、もう少し状況を見て判断したい」と慎重な答弁だった。また学校給食でパンにみそ汁を添えるメニューへの不満に対しては現在の給食センターの厨房機器や施設の面などでできないことを認め、生徒たちに理解を求めた。

 傍聴していた田中校長は「市側は易しい言葉の言い回しを使うなど答弁にとても苦労されたと思うし、誠意をもって答えてくれた。ただ、数字を並べた答弁もあって難しい面もあった」と感想を述べた。学年生徒会長の藤井和也君は「議会という民主的な仕組みを通し、よりよい改善策が生まれているのだと言うことを強く感じた」とお礼を述べていた。