参加企業14社、求人は37人
面接に訪れた高校生は90人、就職戦線は冷え込む(11月26日・火)
高校生の就職戦線はさらに冷え込む─。ハローワーク大曲・角館、大曲雇用開発協会主催の「平成15年3月新規高卒就職者面接会」が26日午後2時から大曲市のグランドパレス川端で開かれた。しかし、職場を求めて面接に訪れた高校生90人に対し、参加事業所はわずか14社で、求人数は37人。競争率2.4倍の厳しさを見せた。生徒たちは各企業のコーナーを回って懸命に自己アピールしていた。
ハローワーク大曲・角館によると来春卒業する高校生で就職を希望しているのは県内が415人、県外111人。うち10月末現在まで両ハローワークにあった地元企業からの求人は222人と就職希望者415人に対して半数ほど。そのうち就職が内定したのは153人で、地元就職内定率は約37%にとどまっている。まだ262人が未定の状態。
地元企業は長引く不況で先行きへの不安もあって、雇用調整や求人の手控えなどで固くガード。県内人口の減少にストップをかけ、地域の活性化を図るには若い労働者の地元定着は欠かせないとハローワークでは高校生の受け入れ先の開拓に力を入れているが、企業の側はなかなか乗って来ないのが現状だ。
今回も大曲市仙北郡内の企業1380社に文書を発送して面接会への参加を呼びかけたのだが、参加の手を挙げたのは16社だけだった。そして実際に会場に顔を出したのは14社にとどまった。
一方の高校側は大曲仙北の8校だけでなく、横手工業高校や雄物川高校、さらには北秋田郡森吉町の米内沢高校からの参加もあった。ハローワーク大曲の高橋文男所長は先生たちの引率を受けて面接に訪れた生徒たちに「業務内容や労働条件などを積極的に聞いて、自分をアピールしてほしい」と訴えた。
面接開始と同時に生徒たちはそれぞれの企業の机を回りながら、話を聞いたり自分をアピール。学校側も工夫を凝らし、各企業に渡した生徒たちの情報資料には個人名は伏せたものの「柔道部のマネージャーをしっかり努めた」「体を動かすことをいとわず、行動力のある生徒」など先生のコメントを記入して売り込んだ。
サービス業に就職したいという女子生徒は「旅館業を選んで面接しました。自分の性格や意気込みをしっかりアピールしたつもり」と語り、「いい結果を待ちたい」と話した。この日の面接会はその場で採用か否かを決めるのではなく、面接した結果の印象からもう一度会って、正規の面接の機会を与えるためのもの。一方の生徒たちもこの日の面接で、一つの職場を選択とする場となっている。中には「内定」という言葉を企業からもらって引率の先生に指で「○」を作って大喜びで報告する生徒もいたが、多くは厳しい倍率に顔を引き締めるばかりだった。生徒25人を引率してきた大曲農業高校の先生は「こうした場を利用して一人でも二人でも就職が決まれば」と心配そうに生徒たちの動きを見守っていた。
ハローワークによると1998年3月のデーターでは地元企業からの求人は899人もあったのに対し、高校生側からの求職は483人。当時は相手を選べる時代だった。それが次第に求人数も減りだし、昨年は求人数347人に落ち込み、求職は330人とほぼ並んだ。そして今年は10月末で求人が222人、逆に求職は415人と逆転した。ハローワークでは「まだ10月末のデーターだから過去のものと単純に比べられないが、この後ドドドッと求人が来る状態ではないので厳しい」と話す。この春は結局、就職先を決めれないまま高校を卒業した生徒は31人いた。来春はもっと多くなるのではと心配する。しかし、暗い話ばかりではない。製造業の中には5人の求人に対し、高校生の就職の厳しさに理解を示し、16人もの生徒に内定を出した。「そうした企業がもっとあれば」とハローワークは今後にささやかな期待を込める。