新幹線に乗って遠足だ

大曲南幼稚園で初の試み

2分の停車時間、園児100人お行儀よく乗れました(10月2日・水)

 新幹線に乗り込む園児たち新幹線に乗って遠足だ─!。大曲市の大曲南幼稚園(黒澤明夫園長・園児103人)では1日、園児たちが秋田新幹線「こまち」に乗って田沢湖畔への遠足を楽しんだ。県教育委員会推進事業の一つ「ゆめ21スクールプラン」の補助を受けての実施で、園児たちは初めて乗った新幹線「こまち」の窓から見た山や川、田んぼの流れる景色に大きな歓声を挙げた。

 同園では昨年の「ゆめ21」では市の秋まつりに参加してダンスを披露、多くの市民の喝采を浴びたが、今年は車社会になって電車に乗る機会の少ない子どもたちにその機会を与え、友だちと一緒に乗る楽しさを体験させたいと企画した。県教委から15万円の補助があり、不足分の850円は保護者の負担だった。

 園児たちに新幹線の遠足を体験させよう。企画はしたものの不安もあった。新幹線「こまち」がJR大曲駅に停車する時間はわずか2分。そして田沢湖駅の停車時間はさらに短く1分。この短時間で100人の園児たちを乗せることが可能か。同園では悩んだ。このため2学期が始まった9月上旬から「こまち」の模型を紙で作り、それに乗り降りする訓練を遊びを通じて繰り返した。

 乗車するのは大曲発9時54分の「こまち10号」で6両編成。事前の打ち合わせで大曲駅からは「多少の遅れは心配しないで」と好意も示されたが、乗客に迷惑は掛けられないと練習を繰り返した。そして大曲駅での乗車は16号車と15号車に分かれ、4組を2列に並ばせ、ホームで列車を待った。職員7人に、保護者も11人が応援で同行した。大曲駅からも5〜6人の駅員が出て無事に乗れるよう見守った。

 よほど事前の訓練効果があったようで「こまち」の姿が遠くに見えても園児たちはそわそわすることもなくきちんと列を守った。そして列車がホームに入ると園児たちは先生や保護者の誘導を受け、流れるように車内に入った。「こまち」は予定通り2分の停車で発車。駅東側の構外では保護者たちが一列になって手を振りながら見送った。

 同行した先生たちは「車内に入ると乗客の皆さんも親切で、席を譲ってくれたり、子どもたちを誘導してくれたりで、とても人の温かさに触れた。席を立って下さった方たちは田沢湖駅までデッキに立ってました」と感謝する。車内では二人掛けの席に3人ずつ座った。

 窓からジャスコ中仙店が見えると「アッ。ジャスコだ。あの店でご飯食べたんだ」と自慢する子、川を見ては「アッ。川だ」と流れる風景にも大喜びだった。園児たちは角館駅を過ぎてからは全員が立ち上がって降りる準備をした。田沢湖駅での停車時間はわずか1分。このため乗る時は2両編成の入り口を使ったが、降りる時は4両編成の出口を使うことにし、車内を移動した。田沢湖駅でもPTAの役員3人と駅員5〜6人が出迎え、園児たちを誘導。無事に時間内に降りることに成功した。

 田沢湖駅からは羽後交通のバスに乗って田沢湖畔へ。そして遊覧船に乗って湖の眺めを楽しみ、レストハウスで昼食を取り、帰りはバスだった。そのバスの中からも新幹線「こまち」と二度出会い、園児たちに思い出を刻んだ。先生たちは「初めての新幹線を使っての遠足で、私たちも気疲れしたが車内で『新幹線に乗っての遠足か。いいなー』と声を掛けてくれた若い男性の方もいたりして、園児たちはいろんな思い出を残したみたい」とホッとした顔だった。