国指定重文「古四王神社」

72年ぶりの屋根全面ふき替え

大曲市で見学会を実施、室町の宮大工の工夫に驚き(10月7日・月)

 古四王神社の説明を受ける市民大曲市大曲字古四王際の「古四王神社」(国指定重要文化財)で屋根のふき替え工事が行われているが、重要文化財への理解を深めてもらい、その保護意識を高める機会になればと5日、一般市民を対象にした見学会が行われた。午前と午後の2回、説明会と見学会が行われ、合わせて100人ほどの市民が訪れた。説明を受けた後、足場を上ってふき替え作業を見学する市民たちは長さ30センチ、幅8センチ、厚さ3ミリに切り刻んだ杉板を一枚、一枚、竹製の釘で打ち込み、10枚ずつ重ねていく柿(こけら)板葺(ふ)きという気の遠くなるような作業に驚きながら、熱心に見学していた。

 古四王神社は元亀元年(1570年)に当時の大曲城主・冨樫左衛門太郎勝家が、武運長久を祈って建立された。本殿は入母屋づくりで、室町時代末期の特色を濃厚に見せ、1905年(明治38年)に神社を調査した文部省古寺保存会嘱託の伊藤忠太郎工学博士は「奇中の奇、珍中の珍」と感嘆、1908年に国宝特別保護建造物に指定された。

 建築の作者は古来から飛騨の匠と言い伝えられてきたが、1930年(昭和5年)、文部省の解体修理の時「古川村(岐阜県古川町)の大工甚平衛」の墨書が出て、飛騨古川の甚平衛の作と判明した。戦後の1950年に「国重要文化財」の指定となった。

 屋根の修理は7月11日から始まり、12月いっぱい続けられる。屋根の面積は約83平方メートル。1930年の解体修理の時に屋根は全面修理され、その後、1955年と1986年に部分修理されているが、今回のように全面修理は72年ぶり。

 ふき替えは岐阜県の田中社寺の職人5人の手によって行われている。柿板の間に30センチ間隔で葺込銅板が取り付けられているが、銅板を使うのは銅がさびて出る緑青が柿板に生える苔(こけ)やかびの繁殖を抑える殺菌の役目を果たし、屋根を長持ちさせるのだという。

 柿板と言う板を打ちつける職人たちまた職人たちが長さ3センチほどの竹釘を口にくわえてから板に打ちつけるのは唾液の殺菌効果で釘や杉板の保護も兼ねたものと説明した。柿板葺きの屋根は京都の桂離宮と同じといい、見学に訪れた人たちは「古四王神社」に隠された宮大工・甚平衛の様々な工夫に驚いたり感心していた。
 
 今回の屋根のふき替えは国の補助事業で、総工費は1900万円。