西仙北町の森林でスギの伐採を見学
「この木が家になったり、家具にもなるんだ」と子どもたち(10月8日・火)
大曲市角間川小学校(伊藤孝之校長・児童数114人)の5、6年生36人は8日、西仙北町土川字大サ沢春木沢地内の県営林で「森林体験教室」を開いた。県の「ふるさとドリームアップ事業」の補助を受けた「いきいき森の教室」の第2弾。この春4月にはシイタケとナメコの菌をホタ木に植える作業を体験。今度は住宅資材として使われている秋田スギの伐採現場を見て、森林の果たす役目やスギの成長を勉強したり、そのスギが住宅や建物にどんなふうに使われているかを勉強しようとなったもの。県仙北総合農林事務所の職員9人が先生役となって、子どもたちに森林の大切さやスギの木がどんなふうに成長するのかなどを説明した。
午前9時。子どもたちは羽後交通の大型バスで学校を出発、約25キロ移動して西仙北町土川の山の中に入った。そこには明治時代は国有林として栄え、やはり明治時代に県が国から買いもとめ、模範林と設定した約33ヘクタールの見事な山林があった。現場では高性能林業機械を使って次々とスギの立ち木が伐採されていた。いずれも1947年(昭和22年)に植林された秋田杉。
子どもたちはバックホーと呼ばれる土木機械のアームの先端に取り付けられた「ハーベスタ」というコンピューター制御のチェンソーが立ち木をあっと言う間に切って、さらに枝払いもし、住宅用資材として求められる長さ3.65メートルや4メートルの丸太に切り刻まれる作業を見ながら「アーッ。エーッ」とビックリ。この高性能林業機械・ハーベスタは作業員3人がかりで1カ月かかる伐採作業をわずか1日で仕上げてしまうという。林業の合理化の主役として開発され、導入された。
さらに子どもたちを安全地帯に移動させると今度はチェンソーと斧(おの)を手にした二人の作業員が立ち木に向かって、昔ながらの伐採作業を披露した。二人はこれから伐採するスギの倒す方向を決め、チェンソーで三角の切り込みを入れる「受け口」、そして反対側の「追い口」と呼ばれる切り口に「くさび」を入れて倒す作業を目の前で展開した。
斧を手にした人が「追い口」にくさびを打ち込むと高さ28メートル前後、太さ50センチほどのスギの木がスーと音もなく斜めになり、最後はバリバリッと激しい音で地面に激突した。それを見ていた子どもたちは「アーッ、倒れる。ウワーッ。ウォー」。静かな山の中に子どもたちの感動、言葉にならない声が響き、目は驚きで大きく見開いていた。5本のスギの木が子どもたちの目の前で伐採された。
木の伐採が終わると総合農林事務所のスタッフが5班に分かれた子どもたちの受け持ちとなって伐採現場を案内した。コンピューター制御の高性能林業機械の運転席に座って、説明を受ける班、伐採した木の年輪を数える班、巻き尺を手に倒れた木の長さを計る班、ノコギリを手に枝きりする班など現地での木の体験が始まった。小笠原有香さん(6年)は伐採されたスギの木に寄って「倒れる時はすごい迫力だった。でも、この木が家を建てる柱になったり、家具とかに使われると思うとすごい」とスギの根本に手を触れ、目を輝かしていた。
年輪を一つひとつ数える子どもたちは「46本あったから、この木は46歳だ」と年齢をノートにメモ。そして農林事務所の職員から「年輪と年輪の幅はいくらあるか」とスギの成長ぶりを調べる課題も与えられ、それを調べた。年輪の伸びる幅は円の中心部ほど広く、植えて4年目では1年で1センチも伸びることが分かったり、30年、40年にもなると1年で数ミリ程度しか成長しないことなどを記録していた。
伐採現場での勉強が終わってからは同町の大佐沢公園で昼食をとり、午後からは同町強首に建設されている町の「多目的研修施設」で伐採された秋田杉がどんなふうに利用されているかを見学した。そして大曲市に戻ってからは製材所に入って製材作業も見学し、森林体験学習を終えた。同校ではさらに11日には南外村の「ふるさと森林公園」で自然観察やキノコ、植物観察、そして木工体験をし、最後は全校でこの春に植えたキノコの収穫を祝って収穫祭を開くことにしている。