角館南高校で最後の戴帽式

衛生看護科、36年の歴史に幕

女子生徒30人、キャンドルサービスを受けて戴冠(10月10日・木)

 生徒にナースキャップをかぶせる先輩県立角館南高校(伊藤一郎校長・生徒数426人)で10日、衛生看護科学生の最後の戴帽式が行われた。同科は将来の看護師、あるいは福祉の現場で活躍する介護士を目指す生徒たちを育成したいと1966年に地元の強い要望で県内の女子高では3校目の学科として設置された。この36年間に1247人の卒業生を送り出したが、准看から正看護師の要請に力を入れることになった国の制度変更に伴い、生徒募集は今年で停止となり、現在の2年生が最後の生徒となった。その2年生もこれからは公立角館総合病院での看護臨床実習や老人ホームでの実習を受ける課程に入るため、白衣にナースキャップを戴く「戴帽式」を挙行したもの。

 衛生看護科の生徒は30人。全校生徒を背にステージ前に座った生徒たちは白衣姿で戴帽を待った。この日は肌寒いほど冷え込んで、半袖姿の生徒たちは腕をさすりながら寒さにふるえていたが、式典が始まるとピーンと背筋を伸ばした。

 戴帽式は照明が消された真っ暗な中、ステージ上で行われ、先輩の3年生が名前を呼ばれて登壇してきた生徒一人ひとりに白いナースキャップをかぶせた。続いてキャンドルサービスのロウソクを受け取り、自分自身の姿を映す鏡の前で点火。再び先輩が後ろに回ってナースキャップをピン留めし、終わるとその後輩の両肩をスッと静かに両手で押して看護師の卵の誕生を祝った。

 キャンドルサービスを手にした白衣の生徒がステージ上に整列した光景は厳かで、幻想的な美しさ。整列した30人の生徒たちは「ナイチンゲール誓詞」を唱和して看護師として旅立つ心構えを誓った。

 伊藤校長は「長い歴史の中の最後の戴帽式となってしまった。この節目の式に臨むことの意味をよくかみしめ、永く忘れずにいてほしい」と呼びかけ、「看護をするために必要な要素は、多くのことに感動する心、愛するものをたくさん持つこと、そして何事にも感謝する気持ちを忘れないことだ」と式辞を述べた。続いて太田芳文角館町長ら来賓が祝辞を読み上げ、30人の巣立ちを祝った。


 ローソクを手に整列した白衣の生徒たち3年生の藤村真智子さんが「これからの病院での看護臨床実習を受けると、看護の難しさや責任の重さに戸惑うと思う。しかし、それを乗り越えなければいけない。実習には教科書では学べない貴重な体験もある。どんな苦しいことがあっても自分のためだと思って努力してほしい」と励ました。これを受けて佐々木悠貴さんが「ローソクの炎のように美しい思いやりの心で、これからの看護実習に励みたい」と誓った。