よみがえる平安の柵

仙北町の国指定史跡「払田柵」

黄色い旗230本を並べ柵を具現化(10月18日・金)


 地中に埋もれている国指定史跡「払田柵」を旗で現代によみがえらそうと仙北町の町興しグループ「蝦夷(かい)ほたるを飛ばす会」(佐藤力哉実行委員長)の払田柵再現事業「よみがえる平安の柵」が18日午後から、同町の南小と北小の児童の協力で行われた。地図上に点線でしか表現できない周囲3.6キロの外柵を、旗の列で少しでも面に近づけ具現化しようと3年前から始めた。

 南小と北小から5〜6年生の児童合わせて157人と「蝦夷ほたるを飛ばす会」の会員や町民ボランティアグループ30人が出て、子どもたちと力を合わせ、柵が埋もれていると思われる田んぼや畑を歩きながら230本の旗を22〜3メートル間隔で立てた。旗は柵の列が分かりやすいようにしたいとすべて黄色。

 この「よみがえる平安の柵」事業は県払田柵跡調査事務所と共催で始めた。子どもたちは正午にそれぞれの学校を出て、まず同調査事務所で県内各地の遺跡から発掘された石器時代のやじりや縄文、弥生時代の土器などを勉強。そして復元された外柵南門前で、旗の組み立て方の説明を聞いてから8班に分かれて、バスでそれぞれの目的地に移動した。現地で大人たちの指導を受けながら旗を組み立て、事前に打ち込んでおいた杭に旗のポールをガムテープでがっちりと固定させ、旗の列を作った。

 払田柵は地中から発掘された柵木から平安時代の西暦802年に創建された政治と軍事を司る役所跡で、外柵と内柵から構成されている。その面積は約89万4000平方メートルと壮大なもので、東京ドームの敷地の約8倍に当たる。外柵には復元された南門のほかに西門、北門、東門があった。町ではこの払田柵をシンボルに史跡の町づくりを進め、年間の観光客は推定で4万5000人と訪れる人も年々増加している。

 蝦夷ほたるを飛ばす会は「いつかは払田柵内にホタルを乱舞させたい」との夢を持って結成された町興しグループ。2月にはミニカマクラを南門前広場に作って冬祭りを開催、ミニカマクラにロウソクの炎を灯し、幻想的な螢火を楽しんでいる。

 旗の列は11月30日まで立てられたままにする。柵列を示す黄色い旗は風になびき、壮大な史跡を現代によみがえらせている。