田畑荘、経営不振で今月末で廃業へ
周辺町村の温泉が打撃、惜しむ地元の人たち(10月28日・月)
大曲市角間川町の温泉宿「合資会社田畑荘」が、営業不振で今月いっぱいで廃業することになった。角間川温泉として長年、多くの市民に親しまれてきたが、周辺町村に第3セクターや公営の新しい温泉施設が次々と誕生したことから、経営を圧迫。このまま営業を続ければ年間1500万円程度の赤字を生むことも予測され、親会社である田畑建設株式会社(石田鋼司社長・同市藤木)が廃業に踏み切った。
田畑荘は1968年、金属鉱物炭坑促進事業団が黒鉱開発を目的にボーリングを開始、黒鉱開発には至らなかったが、温泉が湧いたことから69年に大曲市が温泉用に施工。翌年に温泉宿として誕生した田畑荘と角水に給湯を開始していた。しかし、田畑荘は85年に営業不振に陥り、田畑建設がそれまでの融資と引き替えに施設と土地を譲り受け、約1億5000万円の改造費をかけて改造、営業権のみを「合資会社田畑荘」の持たせ、営業を続けていた。
客室は18室、宿泊能力118人あったが、入湯客は2000年までは何とか年間1万人台をキープしていたものの、次々と誕生する周辺町村の温泉施設の影響を受けて客足が逃げ、01年には約7800人と大幅に落ち込んでいた。
この間、温泉もくみ上げ不能に陥るなどもあって、市が新温泉井の掘削や水中ポンプの更新などをして対応していた。2000年にも湯量が大幅に減ったため、田畑荘と角水がそれぞれ100万円、市が約700万円出資して補修井戸管工事や管の洗浄工事をして修復していた。
田畑荘では26日に地元住民を中心に折り込みチラシを配布、今月末で営業を停止することを知らせると同時に「入湯券」を持っている人には11月15日まで現金と換金すると呼びかけた。
田畑建設では「長い間、角間川温泉として親しまれてきたが、このまま営業を続ければ不良債権として膨らむばかりだった。廃業はやむを得なかった」と話す。地元・角間川町の人たちは「腰痛に良く効く温泉だったので自分の家の風呂のように使っていた。客足が減っていたので心配はしていたが、なくなるのは寂しい」と惜しむ。