800人の農家が参加して生産者集会
国の米政策の見直しに危機感、断固反対の決議(9月6日・金)
JA秋田おばこ生産者集会が6日、仙北町のふれあい文化センターで開かれ、出席した約800人の農家の人たちは食糧庁の「米政策の総合・抜本的見直し」を受けて「生産調整に関する研究会」がこの6月に発表した「米政策の再構築に向けた中間とりまとめ」は「日本の稲作農業の存亡の危機に至るもの」と断固反対の決意を示し、米政策の改革に関する5つの要請書を出席した衆参両院議員に手渡した。同時に農林水産大臣、県知事にも手渡し、反対運動を展開していくことを宣言した。
「生産調整に関する研究会」が6月28日に発表した「中間とりまとめ」では、米づくりのあるべき姿に向けた必要な条件整備を早急、かつ計画的に実施することを基本としているが、「米の全体需給量の設定を第三者機関に委ね、需給調整や過剰米などは生産者の経営判断と自己責任、流通に関しては原則自由・例外規制とするなど国の関与を大幅に後退する基本方向となっている」とJA秋田おばこでは危機感を募らせる。また、同研究会が併せて発表した「ミニマム・アクセス米の影響評価」についても「数字上、国産米に対する需給及び価格への直接的影響は見いだせない」との評価を出している。これに対しても「加工用原料米を含めた米需要に対し、間接的影響が大いにあり、生産者との実感と大きな隔たりがある」としている。
渋川喜一組合長は「中間とりまとめの内容を見ると、国は米政策から逃げようとしている。主要食糧の需給及び価格の安定を図るとした『食糧法』を自らの手で放棄したとも受け取られる無策さで憤りを感じる」と訴えた。そして「国はこの研究会の報告を受けて、今後具体的な政策や仕組みなどについて検討を深めるとしているが、この報告通り実施されれば日本の稲作農業は存亡の危機に至る。加えて農地法も改正し、企業の参入も許そうとしている」と厳しい口調で反対の声を上げた。
そして「中間とりまとめ」は国の生産調整からの撤退・市場重視政策の遂行・稲作経営安定対策の廃止など、これまでの取り組みを否定し、後退させるもので稲作農家、担い手の生産意欲を削ぐ内容だとし▽生産調整は国の責任ある関与のもと現行制度の継続▽生産数量の配分及び生産者の主体的な取り組みへの移行は生産者の混乱と不安を助長し、現行の転作体系の崩壊を招き、認めることはできない▽米政策の改革は日本農業の将来を左右する重大な問題であり、改革・見直しにあたっては、生産現場の実態を把握し、将来展望の見える政策とすること?など5項目の要請を記した要請書を御法川英文代議士、村岡兼造代議士(代理)、金田勝年参院議員らに手渡した。
続いて農作業受託部会連絡協議会長の佐藤昇さんと秋田おばこ女性部長の藤原京子さんが「国の政策を受けてまじめに取り組み、3割の減反にも協力しているのにコメは余るというのはどこかおかしい。日本の農家は米価下落で苦しんでいるのに、全国の水稲出荷数に迫る勢いで外国から米が入ってきている」とミニマム・アクセス米の影響の大きさを訴え、「明日に希望を持てる農業政策を求めよう」などと決意表明した。
JA秋田おばこの高橋利雄副組合長から要請書を受け取った御法川代議士と金田参院議員は「食糧の確保は国の責任であり、食糧庁の方針はとても納得できない。皆さんからの要請をしっかり受け止め、貫徹できるよう頑張りたい」と答えた。会場を埋めた農家の人たちは「米を守ろう」のはぢ巻きをし、最後は「ガンバロー」を三唱して集会の幕を閉じた。
続いて「米政策の改革とJA米事業の展開」と題して講演した全国農協中央会水田農業対策課の馬場利彦課長は「国の狙いは米を自由な流通・価格形成にすれば、農業を辞める人も出て、構造改革も進み、担い手の経営が安定するということだが、それでは政策ではない」と批判。▽豊作による過剰米は公平な負担で処理対策を取る▽集落営農の推進、担い手への農地集積、合理化事業、JA出資法人の育成など構造改革の取り組み?などを提案した。