仙北組合総合病院

待合ホールで「猿倉人形芝居」公演

入院患者や地域の人たちが懐かしの人形芝居を楽しむ(9月7日・土)

 病院で演じられた「猿倉人形芝居」大曲市の仙北組合総合病院で7日午後から本荘市に伝わる県指定無形民族文化財「猿倉人形芝居」の公演があった。今月を「老人月間」として同病院看護部が、入院中の患者さんや地域の人たちとのふれあいを深め、サービス向上に努めようと企画した。

 会場となった内科外来待合ホールには120人分の席と車いす20人分のスペースが設けられ、看護師の付き添いで包帯姿で車いすに乗って見学に来た患者さん、点滴を受けたままの患者さんの姿もあった。

 ホールには木内勇吉一座の特設舞台が設定され、三味線、太鼓の演奏が始まるとホールを埋めた患者さんや駆けつけた地域の人たちは目を輝かせて舞台に注目していた。「猿倉人形芝居」は明治時代に本荘市の人たちが「文楽」を参考に独自の工夫を凝らして「人形芝居」として誕生させた。明治から大正、昭和も戦後間もないころは娯楽の王座として、あちこちから公演が頼まれ、戦前は旧満州や朝鮮半島まで出掛けたものという。

 この日は「岩見重太郎のヒヒ退治」と「鑑鉄坊さん花傘踊り」の二種類が催された。舞台裏は2人の人形遣いと三味線、太鼓の演奏者の4人だけ。とても4人で舞台をやっているとは思えない〃軽妙洒脱〃なセリフと人形の鮮やかな動きの展開に会場を詰めた人たちは病気やけがの憂さを忘れ、大声で笑っていた。中でも「鑑鉄坊さん花傘踊り」の坊さんと若い娘とのユーモアいっぱいの言葉のやり取りや、傘を人形の頭に乗せ、クルクルと回す軽業師のような人形遣いの技にはみんな感動の拍手を送っていた。

 見学していた人たちは「懐かしい。おらだち子どものころは祭りと言えばこの猿倉人形の舞台が掛かって楽しんだものだった」と目を細め、心から喜んでいた。