27日に記念講演と式典、祝賀会
貴重な江戸の旅日記を翻刻、手作りで出版(9月10日・火)
大曲市立大曲図書館は今月で創立100周年を迎えることから、27日午後2時半から同市浜町の「グランドパレス川端」で記念講演と記念式典、そして祝賀会を挙行する。同館は1902年(明治35年)9月25日に当時の大曲町にあった仙北郡議事堂の階下に「仙北郡図書館」として開館した。場所は現在の大曲中通病院周辺だった。14年(大正3年)には強首地震によって半壊。そして23年(大正12)3月31日に郡制廃止で郡立図書館は廃止になり、県立秋田図書館大曲分館となる。32年(昭和7年)4月1日に県から地元・大曲町に移管され、町立大曲図書館として発足。53年(同28年)、図書館に町役場が移転したため、大町にあった元江藤義会(現・働く婦人の家周辺)の建物を書庫として利用。54年(同29年)5月の「市制施行」によって大曲市立大曲図書館と改称した。68年(同43年)には建物の老朽化で同市浜町にあった旧大曲電報電話局庁舎2階に移転。さらに84年(同59年)にはその庁舎も老朽化で危険となり、市青少年ホーム2階に移転し、85年(同60年)3月、市役所前に現在の図書館が建設された。現在蔵書数は10万9076冊。
記念講演は県立博物館長の冨樫泰時氏で「縄文文化と現代」と題して講演する。終わって午後3時半から記念式典に入り、午後4時から祝賀会を挙行する。
同図書館では100周年記念として図書館所蔵の「和漢書一覧」200部と貴重古文書翻刻書「道能記(上・中・下)」100部を出版する。同館には江戸末期から明治にかけて出版された和書、漢籍約1600種類、9000冊近く保存されている。100周年に向けてそれを分類し、目録とした。
翻刻書の「道能記(みちのき)」は幕末の嘉永3年(1850年)、大曲、金沢、横手の有志が女性を含め18人の団体で関東から関西、中国、四国の名所旧跡と社寺を歩き、5カ月に及ぶ長い旅を記録した道中記。彼らが旅をした3年後の嘉永6年(1853年)には米国からペリーが黒船を連ねて来航し、国中が大騒ぎとなる。幕末の動乱期に諸国を旅した庶民のたくましいエネルギーが「道能記」には記されており、貴重な古文書として注目されている。
古文書解読研究会(野藤鳳山会長)が「郷土の資料を読む学習になる」と解読し、図書館職員がそれを2年がかりでワープロに打ち込み、自前で100部を製本した。旅行者ははっきりしてないが、旅の一行は松島、仙台を見て日光から江戸へ入り、鎌倉、東海道を経て名古屋から伊勢に。さらに奈良を見物し、大阪、姫路、岡山まで歩き、四国に渡って善通寺と金比羅さまをお参りし、京都で多くの社寺を参拝、岐阜から木曽路、信濃路と通って善光寺参りを済ませ、新潟から日本海側を北上し、本荘に入って大曲に帰っている。
また同図書館では100周年記念行事として10月7日から19日まで図書館所蔵の貴重な資料や珍しい図書を展示する「所蔵特別展示会」を図書館一階ギャラリーで行う。さらに10月18日午後1時半からは広域交流センターで「菅江真澄」研究会副会長の田口昌樹氏(秋田市)を講師に記念文化講座も予定している。演題は「菅江真澄と大曲」。