六郷町の「学友館」で絵と陶芸の世界展(9月14日・土)
六郷町の「学友館」で14日から「絵と陶芸の世界『三浦良雄・糸満あかね』親娘展?北の空と南の土から?」が始まった。大曲市須和町に在住する父は絵を、大曲高校を卒業後、沖縄の焼き物にあこがれて沖縄県立芸術大学で陶芸を学んだ娘は陶芸作品を出品するという親と娘のハーモニーが不思議な叙情をかもし出している。
三浦さんは秋田大学卒。大学で美術を学び、県美術展には1959年の第1回展から日本画を出品、入選や奨励賞(62年)を受賞している。大学卒業後は大曲中、中仙中などで教鞭を執り、64年から97年まで絵の制作活動を中断したが、98年に大曲南中を最後に退職後、再び絵筆を取って県教育関係職員互助会に毎年作品を出品し続けている。65歳。
「昔は一つのテーマを持って絵を描いてきたが今は描きたい時に描き、描けない時は黙っているだけ」と静かに語り「凛(りん)とした絵を描きたいがなかなか」と沈黙した。今回出品しているのは62年の第4回県美術展で奨励賞を受賞した中国の殉死という悲しい風習に代わって生きた人間の代わりに象形埴輪を副葬した俑(よう)をテーマに描いた「離別」や「埋もる人」「春」をはじめ、以前から描いてみたいと構想を抱いていた角館町白岩の「雲巌寺」や協和町の「唐松神社」の参道をスケッチブックを手に歩き、その巨木や老木に圧倒されながら描いた「参道」、北海道富良野の麦畑を描いた「彩りの丘」など日本画11点と「夏の少女」など油彩や水彩それに版画、秋田林間という冊子の表紙を飾った絵など21点を展示している。
若いころに描いた「俑」シリーズの「離別」や「埋もる人」は思い切った大胆な構図の中に死別の悲しみが物語られ、退職後に描いた「参道」からは人を圧倒する巨木・老木の命の木霊(こだま)とも言える迫力が画面いっぱいに伝わってくる。
一方の糸満あかねさんの陶芸の世界は南国情緒とでも言おうか、不思議な色と形の世界が楽しめる。沖縄県立芸大では著名な陶芸家・大嶺實清教授(現同大学長)から手ほどきを受け、土で語る美の世界を学んだ。今回の親娘展では学生時代の作品から卒業作品、研修生修了作品、そして95年から02年の久米仙酒造時代の作品「シーサー」「ゆらりん小壺」「大壺」「足付珍味入」など33点を展示している。33歳。
「沖縄では自分の表現したいことを自由にできる環境で学べた」と語るように酒器セットでも壺でもエキゾチックな色合いや不思議な曲線をした形の陶器が魅力だ。白い土に鉱物を混ぜて赤茶と薄青のしま模様を付けた「ゆらりん小壺」や乳白色に水色のしま模様を配した「酒器セット」、それに雲がモクモクと発生しているイメージを取り入れた大壺の「雲型」などは不思議な魅力だ。マグカップ、テーブルウエア、小鉢、足付珍味入などかわいい小物も楽しめる。卒業後は「酒にまつわる器」展や「陶」展を沖縄のリウボウ美術サロンで開催、今年は東京・高島屋で「日本・アジア陶芸展」にも出品している。
親娘展は10月27日まで。入館料は一般210円。高校生以下は無料。同館は86年11月1日のオープン以来、もうすぐ有料入館者が3万人を記録する。3万人目の入館者には三浦さんから記念品、3万1人目の型には糸満さんから陶芸作品のプレゼントが用意されている。