大曲市文化財保護協会

市内の座敷蔵や神社の絵などを研修

座敷蔵の重々しさに圧倒され、藤木の史跡「四十二館」も歩く(9月27日・金)

 格天井を飾った絵を見る会員たち大曲市文化財保護協会(冨樫公一郎会長)の市内研修が27日行われた。同協会は市教育委員会の生涯学習の一環として活動しているもので年1回、県外研修と市内研修を行っている。研修には会員31人が参加、バスで移動しながら同市上大町の海産物問屋・森元勝雄さん(69)宅の「座敷蔵」や諏訪神社の古い社(やしろ)の「格(ご)天井」を飾った絵、そして同市藤木の県指定史跡「四十二館」跡を見学した。

 森元さん宅の座敷蔵は間口約5.8メートル、奥行き約13メートルの土蔵。一部二階建てで、1933年から34年にかけて建築された。土蔵を保護するため蔵全体を覆うよう「鞘(さや)」と呼ばれている木造の構造物もある。外壁は重々しい黒の漆喰(しっくい)塗り。棟木と梁(はり)は重い蔵を支えようとするためか、直径60センチ以上もある太い丸柱が使われている。観音開きの厚さ40センチ以上もある扉。これを締めると防火の役目を果たし、蔵に保存された大事な物を保護するようになっている。

 一行を迎えた森元さんは「ようこそお出で下さった。当時、どのくらいの工事費をかけてこの蔵を造ったものか関係者も存在せず、自分も不勉強のため分からないがどうぞゆっくりとご覧になってもらいたい」と歓迎した。

 森元さんは「自分の代で10代目と思うが、過去帳など調べたこともないので先祖はいつから始まったものか良く分からない」と語りながら、96年に家を改築した際に敷地から江戸時代の代表的銭貨「寛永通宝」が発見されたと話した。訪れた人たちは重厚な蔵の外観や二階の梁に張りめぐらされた太い柱に驚いたり、蔵の奥に配置された座敷の雰囲気に圧倒されていた。

 続いて訪れた諏訪神社では古い神社の「格天井」に飾った絵を鑑賞した。絵は江戸時代の円山派や四条派の京都在住の一流絵師たちが描いたものばかりで、「花鳥図」や「松」「菖蒲」「梅に白椿」など49枚からなっている。いずれも47センチ四方の桐の板に描かれたもの。同神社では高橋貞久宮司が一行を迎え、解説した。

 諏訪神社の前の社(やしろ)は66年(昭和41年)1月6日に放火され、焼け落ちたが、格天井を飾ったその絵は同神社の「祭典の時だけ飾って、祭りが終わると箱に保存されていたため、消失を免れた」と高橋宮司。70年12月4日に市指定文化財に指定された。一行は貴重な格天井の絵を観ながら歴史の重みに思いを馳せていた。

 藤木の史跡「四十二館」も歩いた一方、藤木の県指定史跡「四十二館」では地元の郷土史研究家・高橋萬之助さんが現地を案内。水田の中にある史跡はその面影をとどめてないが、広さ約5ヘクタールの平地にかつては水濠(すいごう)が複雑に張りめぐらされ、中世豪族の沼の館と思われている。これまでの発掘で掘立柱建物跡や井戸跡、陶器などが見つかっている。高橋さんは「当時をしのばせるのが何もないのが残念」と言いながら、一人ひとりに全体図を描いた図面を手渡し、本丸跡、御蔵跡、鍛冶屋敷跡などを案内した。