県議選、明日4日告示

大曲市選挙区は無投票か

仙北郡選挙区は定数5議席に現・元、新人7人の混戦へ(4月3日・木)

 統一地方選の第一弾となる県議選が明日4日告示される。大曲市選挙区(定数2)からは自民党公認で、5期目を目指す辻久雄氏(64)=福住町=と新人で無所属の渡部英治氏(53)=田町=が出馬する。ほかに立候補の動きがないため、無投票当選がほぼ確実だ。一方の仙北郡選挙区(定数5)は現職4人に元職1人、新人2人の合わせて7人が立候補を表明、群雄割拠の激戦となる。選挙戦直前の各候補者の後援会事務所を2日、走り回った。

 大曲市選挙区の辻陣営は中通町の商店街中心部のビルに後援会事務所を設け、4日の告示に備えている。事務所内は静まり返り、人の出入りもほとんどなかった。4日は午前8時から神事をやって出陣式を行い、同40分から社会保険健康センター「ペアーレ大曲」で第一声を挙げる。

 栗林次美県議が今秋10月20日に任期満了となる市長選出馬のため出馬を見送る事になったことから、大曲市議から県議選へと転向した渡部陣営は上大町のビルを借りて選挙事務所とした。こちらは初めての県議選とあって人の出入りも活発。スタッフらが念入りに打ち合わせを行い、明日の運動に備えていた。4日は8時20分から神事を行い、同50分には諏訪神社に異動して神社境内で第一声を挙げる。

 選挙戦とならないとすれば前回(1999年4月)に続いての無投票となる。市民は県議選を話題にすることもなく、むしろ三つ巴の戦いとなる今秋の市長選に関心を寄せる。

 一方の仙北郡選挙区は現在欠員1だが、定数5議席を巡って7人が争う激戦区となる。出馬するのは自民党からは現職で5期目を目指す安杖正義氏(57)=角館町=、原盛一氏(55)=仙北町=、大野忠右エ門氏=中仙町=の3人。それに無所属現の樽川隆氏(61)=千畑町=。元職からの返り咲きを狙うのは社民党県連代表の佐々木長秀氏(54)=西仙北町=。新人では西木村役場を退職して無所属で初挑戦する門脇光浩氏(42)=西木村=と元中仙町長の木元正一郎氏(61)=中仙町=の2人。

 安杖氏は仙北北部(角館町、田沢湖町、中仙町、西木村)を地盤に前回の選挙戦でも約1万8000票を獲得し、他候補に大きく差を付けてトップ当選している。しかし、今度は足元から新人の門脇氏が出馬したため、その影響力が読み切れないと危機感を強めている。角館町の国道105号線沿いに構えた事務所の人の出入りは活発で、明日の本番に備え準備に余念がない。安杖氏の場合、地盤だけでなく太田町、千畑町など仙北東部でも力を発揮してきた。「こつこつと各町村を回る努力家だから」と陣営。今度の選挙戦では仙北西部への浸透も図っている。

 原氏は今度で3期目。仙北東部(六郷町、太田町、仙北町、仙南村)を地盤に前回は約1万3000票で2位当選。仙北町板見内に構えた選挙事務所には小西省吾前同町長らが顔を出し、支持する婦人団体がリーフレットを手に「行ってきます」と外回りへと出た。13町村全部に後援会組織を設けたと原陣営。「気になるのは新人の門脇の動き」と警戒する。東部で全力投球し、勢いに乗ろうとしている。

 大野氏も今度で3期目を目指す。地元の中仙町で圧倒的な支持を得て、全町村からも小粒だが万べんなく票を積み上げる戦いで前回は約1万1500票で3位当選。今回は同じ町内から新人の木元氏が出馬したため、その影響力は避けられない。事務所では運動員が綿密に選挙本番の打ち合わせしながら「木元さんの出馬で、支持者は絶対、落としてはならないとまとまった」と話す。仙北東部、それに西部地区への浸透も図り万全な体制としたいとしている。

 樽川氏は2期目の戦い。初めての選挙では民主党の推薦を受けたが、今度は無所属で挑戦。前回は千畑町を地盤に六郷町、六郷町、仙南村で善戦し、約9600票で当選圏に食い込んだ。次点となった候補者(協和町)とは約2000票の差だった。千畑町役場前に構えた事務所で樽川氏は「東部を中心に回ったが前回以上の手応えを得ている」と自信を深める。先月30日の総決起集会には寺田典城知事も駆けつけ、支持者に応援を訴えた。「力強かった」と樽川氏。連合秋田の推薦もあり、労組票の上積みも期待される。

 元職の佐々木氏は5期目途中の01年7月の参院選出馬のため県議を辞任。今回は復帰を目指しての戦い。地盤の西部地区(神岡町、西仙北町、協和町、南外村)からは前回は2人の新人が出馬したため苦戦し、約1万800票で4位当選。今回は西部地区でただ一人の候補者となった。警戒するのは他陣営の切り崩し。樽川氏と共に連合秋田の推薦を受けているが、「これまでのような組織での選挙は終わった」と陣営。「参院選に回った時の後援会の反発の後遺症もあってその修復に苦労したが、どうにか回復した。とにかく西部は草刈り場となっているので本人は地盤を固めたいと西部中心に回っている」と西仙北町の事務所。

 新人で注目されているのは西木村の門脇氏。特定のリーフレットは持たず、手作りの討議資料を手にした応援団が知名度を上げようと活発に動き回っている。ほかの候補者もホームページを持っている人もいるが、門脇陣営はそれを本格的に活用、同時にFM放送も利用、若い人、無党派層への浸透を図っている。役場職員時代は「全国ありがとう文庫」の仕掛け人になるなど企画力で活躍した。西木村の選挙事務所では「我々だって想像も付かない選挙運動を展開するかもしれない」とアイディアに期待する。隣接する角館町には強力な布陣を持つ安杖氏。どんな戦いで西木村から抜け出すのか。その不透明な動きが他陣営の気になるところだ。

 木元氏は元中仙町長としての知名度はある。しかし、組織もない孤立した運動の展開となっている。「組織選挙はもう終わったよ」と後援会事務所でけろりとした顔で言う。特定のリーフレットも印刷せず、簡単な経歴と民社党の推薦をバックに「県政与党のパイプ役」などと印刷した名刺を手に歩き回っている。遺族会や商業団体などをつてに「草の根の戦いをする」と木元氏。