なつかしの農具展

大曲市の県立農業科学館

初の林業と養蚕の農具と写真を展示(4月10日・木)

 山で使われた様々なノコギリ大曲市内小友の県立農業科学館で「秋田・なつかしの農具展」が開かれている。これまでは主に水田農業に使った農具と写真パネルを中心とした展示だったが、今回は趣を変えて同館所蔵の農具の中から初めて「林業」と「養蚕」に使った農具と写真を中心に展示している。「山と暮らす」「家畜と生きる」「米作りの春」と題した写真パネル18枚と枝打ち鋸(のこぎり)、木挽(きびき)鋸、前挽(まえびき)鋸、窓鋸など立木を伐採する時に使った様々な鋸や蚕の糸を巻くための糸巻きこま、蚕の糸などを展示している。

 「山と暮らす」の写真は6枚だが、巨大な木に一人は斧(おの)を打ち込み、もう一人は反対側から鋸で伐る作業の写真や山から運び出した木をソリに乗せ、その木にとび口を差し込んで運ぶ作業に取り組む女の人たちの姿など今から半世紀ほど前の山での大変な作業が写真と道具で分かる。

 「家畜と生きる」は馬や牛を使って田んぼを耕す光景を5枚の写真で紹介し、牛のつめ切り、馬のつめ切り、蹄鉄などが展示されている。田んぼを耕す馬、それを操る農民のたくましい姿は感動させられる。

 「米作りの春」では7枚の写真が展示されている。苗代に入って苗を取る男たち。耕運機を運転する女の人の姿。苗を手に田んぼに入る女たちのあっけらかんとした笑い顔。田植えは小さな子供でも貴重な労働力だった。泥んこだらけとなった子供たちがせっせと田植えしている写真など昔の農作業の大変さが伺える。写真と共に当時、田んぼを耕すために使った唐ぐわ、金ぐわ、窓ぐわ、備中ぐわ(四本ぐわ)、三本ぐわ、肥切りぐわなど様々な形の鍬(くわ)も展示されている。

 82種類約100点の農具が昔の山での生活、養蚕、農作業の大変さを物語る。訪れた年配の人たちは鍬や巨大な鋸を目にしながら「ああ。こういうのを使ったもんだナ」と懐かしそうにつぶやいていた。なつかしの農具展は5月5日まで。