角館町の写真家・千葉さん
好評だった掛け軸の作品で「帰国展」=平福美術館で(4月15日・火)
デンマーク・コペンハーゲン日本大使館で写真展を開いた角館町の写真家・千葉克介さん(56)=日本写真家協会会員=は15日から同町の平福記念美術館で「北欧デンマークからの帰国展」と題した「写真展」を開いている。「美しい日本の自然」として3月4日から28日まで同大使館で25点の作品を展示して写真展を開いた千葉さんの作品は訪れた多くの海外の人たちからも感動と驚きの目で迎えられた。特に出品した25点の作品のうち12点は掛け軸に軸装しての出品。まるで「日本画」のような繊細で微妙な色合いの仕上がりとなった写真は海外の人たちからも歓迎された。
千葉さんが同大使館で写真展を開くことになったのは昨年6月に同町田町の観光商業施設「西宮家」で野外写真展を開催した際に秋田市の知人からデンマークでポスター展を開いたこともあるグラフィックデザイナーの藤代範雄さん(茨城県)を紹介され、その藤代さんからデンマーク日本大使館で開いてみないかと勧められたのが切っ掛け。
千葉さんは「初の海外展」になるとして1993年から99年にかけて出版した「北の彩り」シリーズから作品25点を精選。その中から青森県佐井村の「仏ヶ浦」をモノクロで撮影したのと、山形県飛島から撮ったカラー「黎明・鳥海山」、岩手県八幡平で撮影したモノクロ「霧湧く樹海」など12点を軸装にした。
軸装した作品はインクジェットで和紙にプリントしたもの。最大の作品として展示している岩手県田野畑村で撮影したモノクロの「北山崎」は縦183センチ、幅90センチ。まるで墨絵でも観ているような錯覚に陥る。「撮影した時点からこの風景は日本画のようなイメージに仕上げたいと思っていた。このため空の空間を大きく明けた構図とし、モノクロで撮影した。インクジェットと和紙がどうしたら融合するかで苦労したが、一年以上もかかった試行錯誤でやっと目指すものに行き着いた」と話す。そして「大使館での写真展に訪れた海外の人たちは掛け軸に写真が飾られているのをみてショックを受けたようだったが、その目からは強い感動が感じられた」と千葉さん。
大使館での写真展はデンマークの新聞でも「美しい日本の自然は見る人の心を満足させている」と紹介された。大使館のホームページにも千葉さんの作品は掲載された。
平福記念美術館での「帰国展」では軸装された作品12点と普通のカラープリントで額装した7点の合わせて19点を展示している。四季の微妙な変化と刻一刻と移ろう光りと影のドラマにこだわり続けて東北の自然風景を撮影して30年近くになる千葉さん。その作品はより渋く、繊細さを深めるばかりだ。写真展は5月15日まで開催される。サイズによって15万から50万円で販売もする。