大曲市の12月定例議会

栗林市長、所信表明で8つの重点施策述べる

初の行政アドバイザーとして元県総務部長を嘱託職員として招聘(12月1日・月)

 所信表明を述べる栗林市長大曲市の12月定例議会は1日招集され、冒頭、10月21日に就任した栗林次美市長が「所信表明と市政報告」をした。栗林市長は市民及び議会と協調、協力を基本に政治信条である「弱い立場にある人たちに、いかに政治の光をあてるか」を原点として地方分権時代にふさわしい市民参加による「新しい大曲」づくりと市町村合併後の姿を展望した施策の実現を目指したいと公約に基づいた8つの重点施策を述べた。

 まず市役所の改革については「市民から見た場合、市民への応対など心理的な距離があり、要望など市民の声が届きにくいとの意見が寄せられている」とし、「職員意識の改革を促し、私も現場の先頭に立ち、率先して市民の声をくみ上げ、職員と一緒になって汗をかく努力をする」と述べた。具体的には開かれた市政実現のため、積極的な情報公開と行政評価システムの導入や効果的な広報活動で事業に関する説明責任を果たすとしている。また出前市長室の実施、開放的な市長室の実現にも努め、その一歩として12月から日時を決めて市長面会日を設定、市民と直接意見交換できる場を設けることにしたと述べた。

 市町村合併に関しては大曲市が「大仙市」となる新市の中心都市としての機能と役割を果たせるよう合併協議の場においてリーダーシップを発揮すると同時に住民の意見や要望を合併協議の場へ結びつける手だてとして「市町村合併市民会議」を設置する考えを明らかにした。

 二つ目の産業と雇用ではまず政府の米政策改革大綱で生産調整などの方針の大転換が示されているとの認識から、水田農業ビジョンを早急にまとめ、兼業濃化も含めた集落営農を進め、市長が先頭に立つトップセールスによる販路の開拓の実行と将来に備え、農業の法人化を目指すとした。産業分野では現在進めている中心市街地の空き店舗を活用したにぎわい創出事業を核に市民が自由に憩える時間と空間を提供し、ボランティアや市民グループが活動できる拠点づくり、人が行き交う、歩いて楽しいまちづくりを目指したいとした。雇用分野では地元企業への重点発注を進めると同時に医療、福祉、健康分野での新しい雇用が生まれるよう配慮したいと述べた。

 三つ目の子育てと教育については少子化を背景に、一人ひとりの子供を大切に育てるため、健全育成と教育環境の整備には相当の経費を投じていくことが時代の要請との認識を示した。その上で小児医療では未就学児医療費の軽減を図るため、福祉医療費における所得制限の緩和の検討。子育てサポート体制では幼稚園における保育の充実や保育会の職員体制や施設の改善を協議し、乳幼児に対応した段差解消、トイレ、遊戯室の改修。そして子育てと仕事の両立支援では放課後児童クラブの受け入れ拡充や環境の改善を検討し、児童館の運営では活動支援の検討。学校給食ではJA、産直グループ、農家などと連携を図り、新鮮で安全な地場産食材を子供たち提供するための供給体制の整備。そして望ましい給食センターの建設に向けて検討したいとした。

 また県の国際教養大学との連携では、子供たちに外国人、外国語に接する機会を提供するため大学の社会貢献プログラムの活用を調査し、市の生涯学習や学校教育に取り込み、国際交流を促進させたいと述べた。

 四つ目の安心できる健康長寿者会に関しては6月現在で特別養護老人ホームや老人保健施設などの施設待機者が86人となっており、その解消に向けた対策を至急検討すると同時に在宅介護への支援及び介護予防の充実、介護サービスの質的向上を図りたいとした。バリアフリー対応では市役所、駅のバリアフリー対策の強化と公民館のトイレを洋式へと改修し、高齢者、障害者に優しい環境とするとした。

 五つ目の駅周辺の整備促進については駅前第二工区土地区画整理事業では、大花町地区の整備、奥羽本線のアンダー化工事を計画的に実施する。黒瀬町に続いて、丸の内町側の整備は商店街の活性化事業と連携を図った整備を目指したいとした。都市計画道路駅東線の整備では、仙北町と中仙町、太田町方面などから駅へ直接入って来れるよう事業の早期完成を目指すとともに駅東地区に新しい人の流れを創出するため、無料駐車場の設置を検討したいとした。

 六つ目の芸術・文化・スポーツ振興については生涯学習の推進による文化活動の一層の強化を図りたいと述べた。そのため公民館は地域活動の拠点と位置づけ、市民要望や情報がいち早く捉えられるよう、支所機能の強化を約束した。またスポーツ振興では地域総合スポーツクラブの創設に向けてスポーツ少年団、体育協会、地元関係者など人的な応援態勢と行政としての支援策を検討したいとした。

 七つ目の快適な環境整備に関しては下水道の整備促進を図ると同時に加入率を高める方策として下水道完成後、さまざまな事情で加入できない高齢世帯などへの支援策の検討を挙げた。また下水道事業、農業集落排水事業、合併処理槽事業を効率的に普及させるため地域によっては下水道計画の見直しを行い、出来るだけ早く下水の完備した生活が送れるよう検討したいと述べた。上水道事業では将来の水不足に備え、安定・安価な新しい水源を確保する必要があるとし、真木ダム建設に関する国県の動向に留意するとともに現在、県が検討している玉川ダムの工業用水転用による水源の確保も検討するとした。

 八つ目の住民サービスの向上に関しては、市民に役立つ市役所改革の手始めとして、窓口サービスの平日時間延長、図書館の開館日の拡大と開館時間の延長を1月から一部実施すると述べた。また市民要望の多い除雪に関しては、市民を含めた除雪会議を立ち上げ、市の除雪体制の現状を一緒に見てもらい、雪捨て場の確保、流雪溝の使い方、消雪パイプの段差解消など、市がもっと出来ること、あるいは市民から協力してもらいたいことなどを協議し、知恵を出し合って雪の障害を解消する手だてを講じたいと述べた。

 そして最後に「これまで申し述べてきた事柄を確実に実施するため、本日付けで非常勤の嘱託職員だが、元県公営企業管理者の蓮沼光(あきら)氏を市政に関する相談役として『行政アドバイザー』に就任してもらった」と報告した。

 議会はこの所信表明及び市政報告の後、会期を22日までの22日間と決定し、条例の一部改正など条例案7件、一般会計補正予算など予算案6件、議決案3件、承認及び認定案各1件の合わせて18議案が上程された。条例案7件のうち5件は人事院勧告に伴う職員給与の引き下げ及び市長、助役、収入役ら特別職と議員の期末手当の支給割合の引き下げに伴う改正。関連する一般会計補正予算案も5件提案された。

 人勧による職員給与の引き下げは2年連続。いずれも長引く不況で民間給与ベースが下がっていることからの勧告。昨年は一般職で7284円(1.93%)の引き下げだったが、今年は4111円(1.10%)となった。初任給も高校卒で現行13万9500円が700円減額され、13万8800円となる。大卒は現行17万1500円が800円下がって、17万700円となる。12月の期末手当も現行1.7カ月が1.45カ月と減額される。また市長ら特別職及び議員の12月期末手当は現行1.8カ月が1.6カ月に引き下げられる。

 こうした人勧による人件費は市職員291人分だけで約5200万円の減額となる。これによって給与改定などによる6693万円の減額補正予算が一般会計に上程された。

 この日の議会では人勧関連の条例案5件と予算案5件を上程審議、原案可決して散会した。給与改定関連以外の一般会計補正予算案としては2億5791万円が上程された。補正による主な事業は生活扶助費などへ7988万2000円、合併処理浄化槽整備事業補助金として1191万2000円、道路改良費として2550万円、駅東線街路整備事業費として8899万5000円など。補正後の03年度一般会計予算総額は166億2141万6000円となる。

 議会は11日まで休会し、12日と15日に次の順番で一般質問が行われる。敬称略。

 ◇12日=加藤勲(新成会)、齋藤正俊(政友会)、小山誠治(社会クラブ)、藤谷一誠(新成会)

 ◇15日=藤田和久(共産党)、高橋孝夫(政風会)、能味しん一(新成会)

 (本紙から=能味しん一氏の「しん」の字は土偏に「岑」の字をあてたものです)

 蓮沼氏大曲市の行政アドバイザーとして1日就任した蓮沼光氏は能代市出身。市政の相談役としてアドバイザーを置いたのは初めて。これから毎週月曜日と木曜日に市役所に顔を出して市政に関して職員らの相談に応じることになる。蓮沼氏の経歴は次の通り。

 1938年12月11日生まれ。64歳。横浜国立大学工学部卒。63年に建設省に入り、建設省都市局都市計画課係長、同課建設専門官、住宅局建築エネルギー対策官、建設省官房政策企画官を経て、85年に県企画調整部長として招かれ、商工労働部長、農政部長、総務部長、そして県公営企業管理者として97年に退職した。自宅は秋田市御野場新町1丁目。