統一地方選の展望

4月に県議選、大曲市議選

大曲市議選には新人4人が出馬の動き(1月1日・水)

 年が開けた2003年の今年は4年に一度の統一地方選が巡ってくる。まず県議選が4月上旬に火ぶたが切られ、下旬には大曲市議選が待っている。郡内では協和町と太田町の町長選がある。そして六郷町では町議選。統一とはずれるが10月20日には大曲市長、郡部では7月に南外村の村長、8月には西仙北町の町長、そして12月には中仙町の町長がそれぞれ任期満了となる。こうした身近な自治体の選挙だけでなく、小泉政権の行方によっては衆院の方も解散に向けての火が点きそうな雲行きだ。今年はどんな選挙戦が展開されるのか。大曲市議選、県議選を中心に展望したい。

 大曲市議は前回の1999年4月25日の選挙から定数が2人減って24人となった。その現職の中で今春の市議選で入れ代わりそうな一人を除くと23人はそのまま出馬の可能性が大きい。

 前回は現職20人に新人7人が立候補するといった混戦となった。そして新人で当選を飾ったのは得票順に児玉裕一(53)=四ツ屋=、齋藤正俊(65)=金谷町=、山崎栄一(66)=大曲西根=、藤谷一誠(53)=須和町=、藤嶋次男(63)=大花町=の5氏だった。共産党の現職と2人の新人は敗れた。

 今回、新人で立候補が確実とされているのは社民党公認で、元同党県連合女性局長の石沢幸子氏(58)=田町=と元大曲市職員の北村稔氏(61)=無所属・大曲字北村=、共産党公認で医療法人明和会職員の藤田和久氏(53)=下深井=、それに会社経営の境一孝氏(54)=無所属・飯田=の4人。また前回、立候補した新人の再挑戦の可能性もあるが、今のところ表立った動きはない。この4新人のうち境氏は3度目の挑戦となる。

 石沢氏は大曲農業高校卒。大曲仙北地方労働組合協議会や全労済大曲支所などに勤務。未来の子どもたちの平和と人権を守る任務は女性だと58歳を迎えたのを機に立候補を決意した。11月9日に選対を立ち上げ居住地の田町、隣接する若葉町、住吉町、そして生まれた栄町を中心にあいさつ回りと支持者の掘り起こしに全力投球している。

 北村氏も大曲農業高校卒。01年3月31日に市農業委員会事務局長で定年退職。市議選への立候補は退職前から考えていたという。行政マンとして農政を長くやった経験を活かし、農業が元気になれる市政を目指したいとしている。旧高畑小の通学区である大槻、高畑、東川、和合、古四王、開谷地、小貫といった大曲地区の農村部、いわゆる「曲陽地区」を地盤としている。

 藤田氏は大曲工業高校卒。高校卒業後、7年間東京で働いていたが、1975年に医療法人明和会「中通病院」に採用され、77年に共産党に入党。今年夏に若返りを図りたいと元市議に代わる候補として党の要請を受け、立候補を決意した。市議選では住民本位の市政を求め、福祉、医療の充実に力を入れたいとしている。藤木地区が地盤となるが、生まれは角間川町。

 境氏は今度で3度目の立候補となる。六郷高校卒。市民感覚を取り入れた「市民参加型の行政を目指したい」と力を込める。本格的な活動はこれからとしているが、座談会を開くなど支持者拡大に懸命だ。飯田、川目といった大曲地区農村部を地盤にまち中心部への浸透を図ろうとしている。

 現職24人の中には危機感を抱いて、11月ごろから名刺や後援会報などを手に活発に動きだした議員もいる。特に当選1期目の5人はまだ地盤が安定してないだけに今度の選挙こそ〃胸突き八丁〃とあいさつ回りと支持者の掘り起こしに力を入れている。一方、当選3期以上のベテランは「早く回りすぎても息切れするだけ」と12月はまだ様子見だった。本格的な活動はこれからとなる。

 市選管が12月2日現在でまとめた選挙人名簿登録者数は男1万4935人、女1万7072人の計3万2007人。行政区ごとの登録者数は大曲地区が1万4901人、次いで花館地区5998人、四ツ屋地区3109人、内小友地区2470人、角間川地区2102人、藤木地区1964人、大曲西根地区1463人となっている。

 市街地の大曲が大票田となるが、ここを地盤とする現職は得票順に公明党の菊地信男氏(52)=日の出町・1394票=、渡部英治氏(53)=田町・1209票=、自民党の山本三治郎氏(76)=福見町・1099票=、齋藤正俊氏(65)=金谷町・1022票=、熊澤龍雄氏(68)=花園町・917票=、藤谷一誠氏(53)=須和町・808票=、高松昭一氏(60)=川目・789票=、高橋孝夫氏(68)=黒瀬町・724票=の8人。菊地氏は当選2回。渡部氏は4回。山本氏は通算で10回のベテラン。齋藤氏は1回。熊澤氏は2回。藤谷氏は1回。高橋氏は2回。新人では北村氏と石沢氏、境氏がこの大曲地区を地盤とする。

 花館地区は社民党の藤井春雄氏(69)=大花町・1131票=、同・小山誠治氏(72)=花館上町・1019票=、鈴木勝博氏(65)=花館中町・869票=、大坂猛夫氏(63)=富士見町・759票=、藤嶋次男氏(63)=大花町・630票=と5人がひしめく大激戦区。藤井氏は当選2回、小山氏は9回のベテラン。鈴木氏と大坂氏はともに3回。藤嶋氏1回。

 四ツ屋地区。現職で2期目を目指す児玉裕一氏(53)=新屋敷・1142票=、共産党の佐藤文子氏(49)=中古道・1071票=、新山良治氏(56)=上原野・1005票=、自民党の鈴木孝篤氏(65)=小又・851票=の4人がにらみ合う激戦区。佐藤氏、新山氏はともに当選3回、鈴木氏6回。

 内小友地区。加藤勲氏(64)=石持・1317票=、能味しん一氏(67)=宮林・992票=の2人。加藤氏は当選8回のベテラン。能味氏は2回。(能味氏のしんの字は土編に岑となってます)

 角間川地区。仲村力夫氏(62)=中木内・1204票=、佐藤孝次氏(52)=二本杉・937票=の2人。

 藤木地区。前回から現職が出馬を見送ったため大坂義徳氏(57)=八幡腰・1340=の牙城となったが、共産党公認の藤田氏の出馬で風向きがどうなるか。大坂氏は現在、議長を務め、当選4回。

 大曲西根地区。ここは現職の高橋敏英氏(47)=嶋村・919=、前回、初当選した山崎栄一氏(66)=下太夫塚・829票=の2人。高橋氏は当選2回、山崎氏1回。

 市議選は地元の支持がモノを言うが、有権者数の多い市街地でどう浮動票を稼ぐかも当落を左右する。特に激戦区の花館、四ツ屋、大曲西根は地元票だけでは不安だ。それだけにかつて出稼ぎ運動で支持を得た農村部の有権者のつてを頼ったり、親類縁者、中学・高校の同級生とのつながり、職場の縁とありとあらゆるつてを頼りに票を稼ぐことになる。また有権者数に比べ立候補者の少ない内小友、藤木、角間川地区は1票でも稼ぎたい草刈り場となる。ここにどう入り込むかにもかかってくる。安全圏は800票台だが、前回、1000票の大台を超えた議員は24人のうち12人だった。900票台は4人。800票台も4人。700票台3人だった。最下位は600票台でぎりぎり滑り込んだ。

 注目されるのはやはり新人4人。2人目の女性候補となる石沢氏はどんな新風を吹き興すか。社民党公認での出馬だが、共産党の佐藤氏同様、党派を超えた支持を得られるかにかかる。準備に余念のない北村氏と3度目の挑戦でゴールを目指したい境氏は地盤を同じとしている。そのうえ現職勢も浸透している地域だけに厳しい戦いを迫られる。北村氏は市ソフトテニス連盟会長も努めており、そうした仲間の支援がどうつながるか。境氏は過去2度の選挙戦を通じて知名度はある。新たな支援をどう拡大するか。一方、藤木地区を地盤とする藤田氏は地元の現職と単純に票を分け合っても当選可能な地理的条件に恵まれている。が、藤木出身でないハンディによる知名度の低さ、それに保守系支持者の多いこの地区でどう共産党のイメージで浸透していけるか。角間川町在住の現職・佐藤氏とは小・中学校時代の同級生。その仲間の票も期待したい。



県議選大曲選挙区

注目される栗林氏の判断

 
辻久男氏
栗林次美氏
県議選=大曲選挙区(定数2)は当選4回の自民党・辻久男氏(64)と無所属で当選3回の栗林次美氏(54)の動きに変わりはない。この二人が出るとすれば入り込む余地がないだけに、前回に続いて無投票当選の可能性が高い。ただ、栗林氏は親しくしている友人に「県議選への準備はしているが、場合によっては見送り10月の市長選を目指すことになるかもしれない」と悩んでいる胸のうちを明かした。その友人は「黙って県議選を目指せば無投票で当選できるのだが、安定を望まずあえて火中の栗を拾おうとするから栗林さんらしい」と打ち明け、「市長選に出るとすれば全力で応援したい」と話す。今月18日には栗林後援会が開かれる予定で、栗林氏は「その日まで自分の考えを整理したい」と本紙からの取材に答えた。栗林氏が県議選を見送り10月の市長選を目指すとなれば、春の県議選の構図も、また市議選も大きく変貌することになりそうだ。



仙北郡選挙区は混戦

現職4人、元1人、新人2人が出馬へ
 
 
安杖正義氏
原盛一氏
大野忠右エ門氏
樽川隆氏
佐々木長秀氏
木元正一郎氏
門脇光浩氏

 仙北郡選挙区(定数5)はあわただしい。現在、欠員1だが現職の安杖正義氏(57)=角館町=、原盛一氏(55)=仙北町=、大野忠右エ門氏(64)=中仙町=の自民党3人に無所属の樽川隆氏(61)=千畑町=の出馬は確実。そして昨年の参院選に出馬した社民党県連代表の前県議・佐々木長秀氏(54)=西仙北町=が復帰を目指して活発に動きだしている。

 安杖氏は4期連続当選。議長の重責も負った。原氏は今度で3期目を目指す。大野氏も3期目への挑戦。樽川氏は今度の選挙で2期目となる。佐々木氏は今度で通算5期目となる。

 この5人に加え、前中仙町長の木元正一郎氏(61)=中仙町=が民主党県連の推薦を得て出馬を表明。そして10月には西木村役場を退職した門脇光浩氏(42)=西木村=が無所属で出馬を表明。定数5に対して現職4人と前職1人、新人2人の計7人が争う激戦の構図となった。

 過去4回の選挙ともトップ当選を飾った安杖氏は角館町、田沢湖町、西木村の仙北北部を足掛かりに前回も約1万8000票の大量得票で他候補に大きく水を開けたが、今度の選挙では西木村から門脇氏の出馬で危機感を募らせている。

 原氏は前回、約1万3000票で2位当選。仙北町で圧倒的な支持を得、六郷町、太田町、仙北町、仙南村の仙北東部を抑えた。

 大野氏も前回、約1万1000票で3位当選。中仙町で有権者の7割をまとめ、田沢湖町や太田町、仙北町、仙南村など仙北東部へと切り込んだ。足元から木元氏の出馬で強い危機感を募らせているが、後援会は「かえって組織が引き締まった」と木元効果を強調する。

 樽川氏は今度で2度目の挑戦。前回は民主党の推薦を受けたが、今回は無党派での戦いを選択した。前回は千畑町で有権者のほぼ半数の支持を得、六郷町や仙南村で善戦、他町村からも細々としながら万遍なく票を集め、約9000票台で5位当選した。

 佐々木氏は前回、地元・西仙北町と協和町から新人2人の出馬もあって苦戦したが、地元で半数近くを抑え、神岡町でも大きな支持を得、郡部全体に散る社民党系列の支持者の票で1万票台を乗り越え、4位当選を果たした。

 こうした現職4人と前職1人の5人に対し、木元、門脇の両新人はどう戦いを挑んでいくか。木元氏は前中仙町長という知名度はあるが、町長失職というハンディが大きい。郡部にいる友人、知人の応援を得て「草の根の戦いをする」と木元氏。一方の門脇氏は「本屋も図書館もない村に不要となった本を」と全国に呼びかけ、「全国ありがとう文庫」を開設するなど話題提供で知られているが、知名度はまだ低い。田代千代志村長が後援会長を買って出るなど力を入れている。42歳の若さで「地盤は仙北郡全体です」と精力的に歩いている。

 この2人の新人候補に現職勢もあおられ、あいさつ回りや後援会の立ち上げなど選挙戦に向けた準備は一段とスピードアップしている。

 一方、統一地方選の日程で首長選が行われるのは太田町と協和町。太田町の高貝久遠町長(55)と協和町の山谷屮二町長(70)は12月定例議会でそれぞれ再選を目指して出馬表明している。高貝町長は3選、山谷氏は2選目となる。いずれも対立候補の動きはまだない。両氏とも市町村合併を自らの手で仕上げたいとしている。首長選ではさらに南外村が7月25日、西仙北町が8月10日、中仙町が12月11日にそれぞれ任期を迎える。

 また六郷町の町議選も統一選の日程で行われる。同町議会は定数16だが、現在欠員1人。春に向かって現職、新人が名乗りを上げ動きだす。

 一方、大曲市長選も10月20日で任期満了を迎える。現職の高橋司市長(73)は4年前の1999年9月26日執行された選挙で新人の石塚柏(55)と一騎討ちを演じ、石塚氏に3002票の差を付けて4選を飾った。12月定例議会で次期市長選に出るかどうかと2議員の質問を受けたが「当面する課題(市町村合併)に向けて全力投球したい」と明確な答弁は避けた。石塚氏は前回の落選後も引き続き市長選出馬を目指して活動している。高橋市長が今後、どう判断を下すのか。そして栗林氏が県議選を見送って市長選を目指すのか。同市との合併を目指す周辺7町村も今後の市長選の行方に強い関心を示している。