薬師神社で厄払い

大曲市蛭川の冬の風物詩

老若男女、ミカンを投げて厄を払う(1月8日・水)

 幸せを拾おうと投げられるミカンに集中する人たち大曲市蛭川の「薬師神社」で8日朝、厄払いの神事が行われた。同神社は5月8日がお祭りとなっており、1月8日は「初8日」として縁起がいい。こうしたことからこの8日には昔から厄年を向かえた老若男女が同神社をお参りし、神官から祝詞(のりと)をささげてもらい厄を払っている。

 薬師神社は坂上田村麻呂が蝦夷征伐のためこの地を訪れた際、必勝祈願のため創建したと言われる由緒ある神社。ご神体は「薬師如来」で、境内にある竜神の口から流れ出る水で眼を洗うと眼の病気が治るとされている。ご利益いっぱいの眼の神さまとして、戦前戦後は同神社の祭りと言えば、雄物川の渡し場があった現在の浜町から同神社への参拝客の列が絶えることがないほどの賑わいを見せた。4年後の07年には創建1200年を迎える。

 神社は姫神山の中腹にあり、鬱蒼とした杉の森の深い雪の中で今は静かに眠っている。今年42の大厄を迎えた人は伊藤広さんだけだったが、男の52、女の53など13人の男女が厄年として神官のお払いを受けた。きつい山道を息を切らしての神社参拝だった。地元の人たち50人ほども麓から山道を踏みしめて登ってきた。

 神官のお払いを受けた後はお祝いにと13人の厄年の人たちは社の中から大量のミカンを手に下で待ち構える人たちに放り投げた。お払いを受けた厄年の人たちが投げるミカンを拾うと無病息災として一年間、幸せに暮らせる。その幸せをいっぱい拾おうと老若男女たちはビニール袋を手に「こっちだ。こっちにも!」と声を張り上げ、飛んでくるミカンをせっせと拾っていた。雪深い山奥の神社で見られた素朴な風物詩だった。