大曲市新春農業講演会

海外研修の池田さん感動的な報告

ダニエル・カールさんの講演に会場は笑いの渦(1月22日・水)

 講演するダニエル・カールさん大曲市の新春農業講演会が22日、グランドパレス川端で開かれ、講師として招かれたタレントのダニエル・カールさんが「ダニエルのふるさと自慢」と題して講演、会場を埋めた約300人の聴衆を笑いの渦に巻き込んだ。新春農業講演会は市農業総合指導センターや秋田おばこ農協、仙北農業共済組合、市農業委員会などの主催で開いた。

 渋川喜一秋田おばこ農協組合長が主催者を代表してあいさつ。渋川組合長は「農業、取り分けコメの問題を考えると心痛む思いだ」と国の米政策大綱に触れ、「30年間、生産調整に協力してきたのは何であったのか」と疑問を示しながら、「これからはコメの価格や流通の面で産地間競争が激しくなる。秋田おばこ管内のコメの生き残りをかけた取り組みを図らなければならない」と決意を述べた。

 続いて昨年、県の事業「食と農を支える女性農業者海外研修」でオランダ、ドイツ、フランスの農村を11日間の日程で視察してきた同市福見町の池田綾子さん(27)が研修報告をした。池田さんは両親と共にビニールハウスで花き栽培に取り組んでいる。今回の研修では17人の農家の女性たちと3カ国を歩き、美しい村づくり運動と環境保全、花の生産とマーケティング、中山間地域の農業を支えるアグリビジネスなどを研修してきた。報告で池田さんは「農業なのに会社組織にして家族みんなで働いている姿を見て、これからの農業に光りを見た思いだった」と強調。同時に「コンクリートの川を壊し、砂利の川に戻し生物が住めるようにしたり、環境を守るためのリサイクル農業に力を入れた安心、安全な食、そして地域生産で地域消費、太陽の光り、大気、水を大切にしている農業に感銘した」とも報告した。最後に「農業という職業を継ぐことに少し不安を持っていたが、外国でいろんな農業のスタイルをみてその不安も解消された。同時に外国を観て日本の良さ、古里の良さが分かった」と報告、感動を受けた会場から盛んな拍手が沸いた。

 ダニエルさんは流暢な山形弁で登場。「おらにゃ、古里がいっぱいある。カリフォルニアもその一つ」と生まれ古里の自然や動物を語り、飼い犬がスカンクのスプレー攻撃を受けたエピソードで会場を笑いの渦とさせた。スカンクの強烈な臭いの攻撃で大騒ぎとなってしまった犬。石けんで洗っても洗っても臭いが取れず困っていたら、知り合いのおじいさんが「トマトジュースで洗えば落ちる」とアドバイス。「なぜか臭いは落ちたが、白い毛の犬は真っ赤に染まってしまった」とみんなを笑わせた。

 さらに日本に留学することになり、百科事典で一生懸命に日本を調べたら辞典が古いもので「ちょんまげに刀を差した侍がいっぱいいると憧れて来た。羽田空港に降りたら、大都会でビックリしてしまった。着物を見たかったのに着物を着ている人はおばあさん一人だけだった」と辞典との大違いにカルチャーショックを受けたエピソードも語った。

 そしてアメリカの大学を卒業後、文部省の英語指導主事助手として山形県に赴任した時に「んだ。んだ」の嵐を聞いて戸惑ったことや東京に出てから広告代理店に勤め、山形弁をしゃべるアメリカ人で大いに得した話や日本人の〃謙遜〃という美徳をユーモアを交えて語った。

 ダニエルさんは山形で上司の家に招待された時、側に控えている奥さんを「うちの愚妻だ」と紹介され、「ああ。グサイという名前の奥さまか。珍しい名前だと思ってグサイさんですかと言ってしまった。翌日、県庁で辞典を調べ、その漢字を見てウワーと思った。新築した家を『すばらしい家ですね』と褒めると『粗末な家だよ』とけなす。日本人は回りの人を口でけなして、心で愛する奥の深い〃謙遜〃という文化を持っている」と不思議な国の印象を語った。そして古里自慢をもっとしようと呼びかけた。