不登校を考える会

登校拒否文化医療研究所の高橋所長が講演

母親への依存高まり、心理的援助としての「寄り添い」を強調(7月12日・土)

 不登校を考える会大曲・仙北では12日、大曲市日の出町のサンクエスト大曲で2回目の「不登校・引きこもりを考える集い」を開いた。講師は前回と同じ登校拒否文化医療研究所(東京都大田区)の高橋良臣所長。午前10時半から正午まで個別相談に応じ、午後2時から「不登校・引きこもりの人々の生き方探し」と題した講演をした。大曲キリスト教会の横井伸夫牧師が事務局を努める「不登校を考える会大 曲・仙北」が主催した。

 高橋所長は臨床心理士で文部科学省スクーリングサポート・ネットワーク整備事業、内閣府少年問題相談機関の一員。1972年から登校拒否・不登校の子どもと共同生活している。

 午前中の個別相談には2人の中学生の親と1人の高校生の親が訪れ、登校拒否の悩みを相談した。そして午後からの講演では参加者は8人だけだったが高橋所長は「心理的援助としての寄り添い」「登校拒否・不登校の子どもの生活から分かること」を中心に語った。高橋所長は「子どもが登校拒否になると専門家たちは『黙ってみていなさい』『何も言わないでただ、そっと寄り添っていなさい』という場合があるが、その結果、登校拒否が長引いたり、閉じこもりが長くなってしまったり、家庭内暴力が激しくなったケースもある」と警鐘。心理的援助として「寄り添う」と言うことを説明した。

 そうした中で登校拒否の子どもたちが「最も求めるのは母親であり、登校拒否期間の一時期にはいなければならない存在だ」と強調した。その依存は「幼児的な依存で、甘えて似ている」と高橋所長。「母親にご機嫌取りをしてもらいたい。慰めてもらいたいの気持ちがあり、その理由は自分では収拾がつかないほど心が混乱しているからだ」と分析。しかし、母親の態度や関わり合いが悪いと言って暴力に及ぶのを家庭内暴力と言うが、それも「母親に対する依存だ」と高橋さん。しかし親の方からは「バカヤロウとかお前なんか死んでしまえ」など激しい言葉を浴びせる子どもが、自分に甘えているとは理解もできずむしろ「嫌われている。憎まれている。うらまれている」という思い込みがちだと指摘。それだけに「子どもが心の辛さをぶっつけることが出来る人は母親しかいないという気持ちを理解してやらないと、依存関係に終止符は打てない」とも語った。

 そして登校拒否の子どもを孤立から守るためには「一人前の人間として認める姿勢が大事だ」とし▽子ども特有の時間の流れに合わせた関わりをする▽その子どものペースやリズムに合わせて関わる▽子どもが好きな、しかも得意な分野で関わる▽例え一人で実行していてもその意欲を認める▽本人は気がつかないが、できたところを見つけてほめる▽外部の関連する広がりに注目を向ける▽上達したことをほめる▽将来の希望に関連づけるなどの関わりが必要だと訴えた。さらに「最初から中身が濃い関係は拒否される。最初は人間性に触れることなく、心に侵入するような関わりしないよう、動物や遊び、物を介した関わりをすべきだと「信頼関係」の確立が大事だと語った。

 また「予期不安」という説明もあった。これは朝、目が覚めても「布団の中でボーッと学校のことを考えている」のであって、予期不安は「学校へ行った場合、またあいつから嫌味を言われるのではないか」という嫌な体験に基づいた「不安」だと高橋所長。子どもがイメージする学校での予期不安は身がすくむほどひどい場合が多く、「大人には理解しきれない面がある」と語った。だから親はその話を聞いて「そんなことでグズグズするなんて情けない」と思いがちだが、子どものその体験がどれほど深刻なものだったかは「話をしている子どもの様子を見ているとある程度、理解できる」と高橋所長。「子どもの言動のすべてをていねいに聴き、ていねいに観ていく必要があり、ていねいな継続的関わりが必要だ」と話した。そして「あなたのその気持ちはよく分かる」と思えるまで話を聴き続け、「今までよく頑張ってきたね。すごく我慢強いんだね」といたわりの言葉、気持ちが必要だとも訴えた。事務局では9月にも高橋所長を招いて3回目の集いを開くことにしている。