山林で伐採作業事故を想定して救助訓練

作業員、倒れた木の下敷きに

山間にヘリコプターが飛び、救急車が走る(6月3日・火)

 木の下敷きになった人を救出する訓練太田町の大台スキー場で3日、大曲労働基準監督署と大曲仙北広域消防本部共同で「山林における伐採作業事故救急救助訓練」が行われた。救急車、消防工作車が走り、県消防防災航空隊から消防防災ヘリコプター「なまはげ」が飛んでけが人を搬送する大がかりな訓練となった。労働基準監督署と消防とがタイアップしての山林における作業事故救助訓練は県内でも初めて。山林作業員ら130人が訓練を見守った。

 訓練は3日午後2時10分ごろ、太田町川口地内の山林で伐採作業中の作業員2人が、かかり木処理中に倒れてきた木の下敷きになる作業事故が発生。出血や四肢骨折の疑いがあり、1人は樹齢70年の杉の大木の下敷きになったまま意識を失っているとの想定で行われた。かかり木は伐採した木が他の樹木に寄り掛かった状態のこと。それを伐倒しようと作業しているうちに突然、倒れ、作業員がその木の下敷きになってしまうもの。県内では昨年、林業の現場で7人が作業事故で亡くなっているが、そのうち「かかり木」が倒れてその下敷きとなって犠牲になった人は3人いる。

 事故に気づいた作業員は携帯電話で消防本部へ救助を要請。同本部では救急隊と救助隊を出動させるとともにけが人が重傷と予想されること、災害現場が山岳地帯で車両進入が困難であると判断、秋田県消防防災航空隊にヘリコプターの出動も要請した。現場に駆けつけた救助隊は木の下敷きとなっている人を救助するため、倒れた木と地面の隙間に40トンの重さのものまで持ち上げ可能なエアマットを入れて木を持ち上げ、重傷のけが人を救助。また軽傷者は救急車で大曲市内の病院へ搬送した。

 重傷のけが人は減圧式固定担架で全体を固定し、飛んできたヘリコプターから救助隊2人がロープで降りて重傷者を受け取り、担架のままつり上げて機内に乗せ、秋田市内の医療機関へと搬送した。救急車、消防工作車が走り、上空でヘリコプターが待機するなど静かな山間に緊張感が高まった。

 重傷者をヘリコプターが救出した訓練に先立って同町の奥羽山荘で参加した約130人の山林作業員を対象に「かかり木処理方法」についての講習会、そして訓練後は再び山荘に移動して大曲消防署救急救命士による応急手当の講習やスズメバチ対策講習などが開かれた。