出羽鶴、刈穂の秋田清酒

有機農産物加工食品製造工場の認定

食の安全に応え有機米を使った新酒を発売へ(6月18日・水)

 ASACからの認定書「出羽鶴」「刈穂」「やまとしずく」などのブランド名で知られている仙北町の「秋田清酒株式会社(伊藤辰郎社長)」が、農林水産省が認定する登録認定機関「ASAC(エイサック・盛岡市)」から有機農産物加工食品の製造業者としての認定を受けた。日本農林規格であるJAS法に基づく有機原料を使用し、化学薬品などからの汚染や混入を排除する技術的水準を満たす事業所として認定されたもので、有機認定を受けた酒造メーカーは全国でもまだ少なく、県内では本荘市の「齋彌酒造」に次いで2番目。秋田清酒では今後、有機商品として有機米を使った清酒をこのお盆過ぎにでも発売に踏み切りたいとしている。

 食の安全への関心が消費者に高まってきたことから同社ではその安全志向に応えられる商品を市場に出せるようにしたいと昨年から樫尾春生製造部長を品質管理責任者とする社員5人でプロジェクトチームを編成し、盛岡市のASACでの講習を受けるなど有機農産物加工食品製造工場として認定を受けるための準備に取りかかってきた。

 しかし、酒は農水省のJAS法に基づく有機農産物加工食品には入ってないため、有機栽培米を原材料にした甘酒で申請した。ASACではその申請を受け、去る4月10日に甘酒を造った秋田清酒本社工場と南外村の出羽鶴酒造の酒蔵を検査。有機米が化学薬品や洗剤などで汚染される心配はないかなどを厳重に検査。蔵に使われている壁の材料、さらには水源地、そして使った水をどう排水しているかなども徹底して調査。その上で製造施設とその周辺の環境が、化学的な物質による汚染の可能性から防御されていることを確認し、5月31日付けで「有機農産物加工食品」の製造業者として認定した。

 そして有機米を使った新しい酒の販売に向け、同社では大潟村でやはりASACから認定を受けて有機米栽培を手がけている農家から酒米「吟の精」を買い求め、純米吟醸酒を造った。酒は現在、秋田清酒本社の冷蔵庫で眠っているが、「上品でまろやかな味の酒が出来た」と格付担当者である伊藤道夫業務部課長。まだ「商品名」は決まってないが、お盆過ぎには有機米を原材料にしたお酒として販売に踏み切りたいとしている。

 同社では20年ほど前から大曲市松倉の農家と契約して無農薬栽培米を原材料にした自然米酒「松倉」を販売するなど食の安全に高い関心を寄せて酒造りに努めてきた。今度は農水省の登録認定機関「ASAC」のお墨付きを得た有機米を原材料とした商品で食の安全志向を求める消費者のニーズに応えたいと新しい酒に期待している。同時に有機米を使った酒造り学んだ品質管理のノウハウをこれからは他の商品にも生かし、より安全な酒造りに取り組みたいとしている。

 お盆過ぎには有機米を使った酒として売り出される値段はまだ決まってないが、自然酒「松倉」は720ミリリットル入りで1940円だが、有機栽培米を使った酒はこれまで掛かったコストから2000円程度となる。秋田清酒ではこれからの「看板商品として売り出したい」と話す。